怒りをコントロールする方法

怒りの衝動をコントロールする2つのテクニック
以下は、記事の抜粋です。


以下に、衝動をコントロールする手法として日本アンガーマネジメント協会が推奨する「スケールテクニック」をご紹介します。

怒りの温度計(スケールテクニック)
衝動をコントロールする代表的なテクニックの1つが「怒りの温度計」です。「スケールテクニック」とも呼ばれています。怒りを感じたら、温度計を思い浮かべて、今何度くらいの温度で怒っているのか自分で点数化してみます。怒りの感情を「見える化」して客観視する習慣をつけるのが狙いです。これをあれこれ考えているうちに6秒をやり過ごせる可能性が高くなり、ある程度冷静な判断が下せる状態になります。

例えば、怒りの温度「0」を穏やかな状態、「10」を人生最大の怒りと設定してみます。怒りを感じたら、「今のは軽い怒りだから1くらい」「結構強かったから5くらい」といった感じで温度をつけます。自分なりに今までの経験の中から、比較のための基準を決めておくのもいいかもしれません。私の場合、例えば、第7回で書いた「外来患者からのいわれのない暴言」は、かなりの怒りを覚えたため、怒りの温度を5にしています。

また、以前勤めていた某病院での会議中に、皆の前で攻撃されたことで恥をかかされ、イラついたことがあり、これを「3」にしています。そして朝に同僚に挨拶を無視されたことを「1」として、比較する際の基準にしています。

タイムアウト
タイムアウトは怒りやイライラを感じる場所から離れよう、という方法です。ここでのタイムアウトの意味は、スポーツでいう「タイム」のことです。試合途中での一時中断でよく使われますね。

怒りを感じた相手の前や状況の渦中にそのままいると、6秒をやり過ごすのは至難の業となり、怒りに任せた反応をしてしまいがちです。そんなときは「ちょっとトイレに行ってくる」などと、その場を一旦離れること、また戻ってくることを伝えてから離れることが効果的とされます。この間に深呼吸や軽いストレッチを行ったりしてある程度冷静になってから、また話し合いに戻ればより望ましい対応ができます。

これらの他にも様々な手法が考案されています。自分に合ったコントロール法を探すことが大事です。ちなみに私は「ストップシンキング(頭の中を空白にする)」+「タイムアウト」の組み合わせをよく使っています。

怒りにくい体質への変容を目指す「思考のコントロール」
上の記事の続編です。以下は抜粋です。


怒りの衝動のコントロールで最も大切なことは、怒りに任せた「反射的な反応」をしないことです。そのためには自分に合ったコントロール法を探して、実際に試すことが大事です。前回はその例として、衝動のコントロールの代表的なテクニック「スケールテクニック」と「タイムアウト」を紹介しました。

しかし、怒りの衝動を6秒やり過ごすことを繰り返すより、そもそも怒りが湧きにくい工夫をするのが賢明ですよね。いわば、より怒りにくい体質へシフトする「体質改善」です。以下に、どういう考え方をすれば、より怒りにくくなるのかを見ていきます。

“べき”を緩める「思考のコントロール」
「べき型思考」とは、例えば、「公共マナーは守るべき」「お客様には敬意を払うべき」「目下の者から率先して挨拶すべき」などといったものです。簡単に言うと、自分自身や他人に対して「あるべき姿=理想像」を課す、ということです。

より怒りにくい体質に変化していくため、日本アンガーマネジメント協会では、この「べき」を可能な範囲で少しずつ緩めていくことを推奨しています。「べき」を緩めるとは、今まで「許せない」と思っていた出来事を、「まぁいいか、そんなこともあるよね」と許容できるようになることです。日本アンガーマネジメント協会では、これを「思考のコントロール」と呼んでいます。

「思考のコントロール」の“三重丸”
「思考のコントロール」では、三重丸の図を使って考えます(図1)。一番中心にあるのが「許せるゾーン」、その外にあるのが「まぁ許せるゾーン」、さらにその外にあるのが「許せないゾーン」です。ある出来事をどのゾーンに分類するのか、冷静に考えるわけです。そして「まぁ許せるゾーン」(まぁいいか)を可能な範囲で広げていきましょう、というのが思考のコントロールです。

図1 「思考のコントロール」の三重丸の図

日本アンガーマネジメント協会によると、思考のコントロールとは、この三重丸を上手に線引きすること、としています。そして「客観的に出来事を判別して意識的に『まぁ許せるゾーン』を拡大する習慣をつけることで『心の許容量』は大きくなり、多少のことでは『怒り』を感じにくくなります。この三重丸の図を思い浮かべることで、より効果的に『べき』を緩めることができるようになります」としています。ぜひ、三重丸をご活用ください。


諺にも「短気は損気」というのがあります。短気を起こすと、人間関係がこじれたり、仕事もうまくいかないなどの理由から、結果的に損をするのは自分だということです。英語にも同じような諺があるみたいです。Out of temper, out of money.(短気で金欠)、Anger and haste hinder good counsel.(怒りと焦りはよい助言の邪魔になる)、Anger punishes itself.(怒りは自らを罰する)

怒りは敵と思え」というのは徳川家康の言葉だそうです。怒りは必ず相手の怒りや恨みを招き、結局は自分の身を滅ぼす敵になるということだそうです。

相手や周りの状況が自分の考え(べき)と違っても、たとえ怒りを感じても爆発させずにコントロールするのがうまく生きるコツみたいです。そのためには、上の記事のように「タイム」や「スケール」や「三重丸」を使って、相手の立場になって考えたり、客観的に考えたり、自分の発言や行動で相手や周りがどう考えるかを考えたり(いわゆる想像力)、、、とにかく考えることが重要だと思います。

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