デキストロメトルファンとブプロピオンの合剤「オーヴェリティ」をうつ病に即効性を示すとして米国FDAが承認。

米FDAが「うつ病」に“1週間で効く”即効性の飲み薬を初承認…問題視されていた“依存性”による制限もなし
以下は、記事の抜粋です。


アメリカ食品医薬品局(FDA)が、早ければ1週間で効くという新薬『オーヴェリティ』(Auvelity)を、臨床的うつ病の治療薬として承認した。

『オーヴェリティ』はN -メチル -D -アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬で、新しいタイプのうつ病治療薬が承認されたのは、この60年間で初めてのことだ。

『オーヴェリティ』は、わずか1週間でうつ症状の改善に極めて重要な効果が見られると承認された初めてで唯一の即効性服用薬だ。デキストロメトルファンとブプロピオンという2つの薬から成る新薬で、今年中にはアメリカ国内で入手可能になると見られる。

最近、抗うつ薬として、ケタミンという薬剤が突破口を開いた。が、ケタミンはある種依存性がつきやすいのが問題だった。そこで目をつけたのが、ケタミンと同じ働きをして、体内で非常に早く代謝されるデキストロメトルファンだった。既存の抗うつ薬で、デキストロメトルファンが体内で代謝されるのを遅らせることができるブプロピオンと組み合わせた。

学術誌『Journal of Clinical Psychiatry』に掲載された研究によると、3回の臨床試験でオーヴェリティを服用した163人の患者は、1週間以内に落ち込んだ気分が著しく改善したと述べている。

既存の抗うつ薬治療を受けている患者の約3分の2は十分に反応せず、効果を感じるまでに6~8週間かかる場合がある。オーヴェリティが1週間で効果を出し、その後も持続すると認められたことは、うつ病の現在のパラダイムに重要なインパクトを与える可能性がある。

オーヴェリティや他の抗うつ薬によって、思春期の若者や子供は自殺願望や自殺行為が増す可能性がある。また、オーヴェリティは、発作性疾患や摂食障害の人、モノアミン酸化酵素阻害薬やベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、抗けいれん薬を服用している人には不向きだ。


デキストロメトルファンは古い薬で、日本でも咳止めに使われるメジコン®の主成分です。モルフィン系薬物で、σオピオイド受容体を刺激作用やセロトニン再取り込み阻害作用を持つことが知られており、2015年には上記のNMDA受容体阻害作用が明らかにされたり、多くの作用を持つ薬です。

一方、ブプロピオンは、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害薬として作用する抗うつ薬の一種で、ニコチン拮抗薬でもあります。アメリカでは抗うつ薬として広く処方され、後に禁煙補助剤としても市販されていますが、日本では承認されていません。ブプロピオンは肝臓の薬物代謝酵素であるチトクロムP450 2D6(CYP2D6)活性の強力な阻害剤であることもわかっています。

デキストロメトルファンはCYP2D6によって代謝され、ブプロピオンの投与によって代謝が阻害され血中濃度が上がることが知られています。また、これら2つの薬物の合剤であるオーヴェリティがうつ病に対してブプロピオン単剤よりも効果があることもわかっています。うつ病に対して即効性があるメカニズムは、まだ明らかになっていないと思いますが、本当に即効性があるなら日本でも承認されるべきだと思います。

 

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