がんによる死亡と障害に関するリスク因子は、喫煙、飲酒、高BMIの順に影響が大きい

がん負担の世界最大のリスク因子は喫煙/Lancet
以下は、記事の抜粋です。


2019年の世界におけるがん負担に寄与した最大のリスク因子は喫煙であり、また、2010年から2019年にかけて最も増大したのは代謝関連のリスク因子(高BMI、空腹時高血糖)であることが、ワシントン大学のChristopher J. L. Murray氏ら世界疾病負荷研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)2019 Cancer Risk Factors Collaboratorsの解析で明らかとなった。

研究グループは、行動、環境・職業および代謝に関連したリスク因子に起因するがん負担について、2019年のがん死亡および障害調整生存年(DALY)を推定するとともに、これらの2010年から2019年までの変化を検討した。

2019年の推定されたすべてのリスク因子に起因する世界のがん死亡数は、男女合わせて445万人で、全がん死亡の44.4%を占めた。男女別では、男性288万人、女性158万人であり、それぞれ男性の全がん死亡の50.6%、女性の全がん死亡の36.3%であった。

また、推定されたすべてのリスク因子に起因する世界のがんDALYは、男女合わせて1億500万年で、全がんDALYの42.0%を占めた。

2019年のリスク因子に起因するがん死亡とがんDALYに関して、世界全体でこれらに寄与する主なリスク因子は、男女合わせると、喫煙、飲酒、高BMIの順であった

2010~19年に、リスク因子に起因する世界のがん死亡数は20.4%、DALYは16.8%増加した。これらの増加率が最も高かったリスク因子は、代謝関連リスク(高BMI、空腹時血糖高値)であり、これらに起因する死亡数は34.7%、DALYは33.3%増加した。


障害調整生存年(DALY)とはDisability-adjusted life yearの略で、疾病負荷を総合的に示す指標です。損失生存年数(疾病により失う命の年数)と障害生存年数(障害を抱えて過ごす年数,障害の程度によって重み付けされる)の和で、疾病や障害による早死だけでなく,健康的な生活の損失の程度を勘案したものです。例えば、タバコを吸わなかったら癌にならずに元気で生きている時間がどれほどあるのかを表します。

タバコや酒や肥満の患者さんはとても多いですが、これらの習慣がどのくらい人生の時間を削っているのか簡単に計算出来たら、患者さんへの説明するのにとても役に立つと思います。そういうアプリをだれか知りませんか?

 

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