フォトンカウンティングCT装置

高画質・低線量の次世代型CT、東海大学がアジア1号機を導入
以下は、記事の抜粋です。


次世代型CTであるフォトンカウンティングCT(シーメンスヘルスケア製)が2022年1月に保険承認を受け、アジア地域の1号機が東海大学医学部附属病院に導入された。

従来型CTは身体を透過したX線を検出器に当てて可視光に変え、それを電気信号に変換して画像化する。この2段階の変換によってX線の光子エネルギーに関する情報が失われ、コントラストや画像の鮮明さも損なわれていた。これに対し、フォトンカウンティングCTは一つひとつの光子(Photon)をそのまま計測(Counting)する。

これにより、従来型CTと比較して大幅な被ばく線量が低減され、従来型CTでは困難であった微細な構造の鮮明な描出・エネルギー情報によって物質を判別し、特定の物質を強調したり除去したりできるといった利点がもたらされる。

【高画質】
中耳や内耳などの頭頚部領域の細かい構造をより鮮明に観察できる→耳鼻科
冠動脈ステント内の血栓形成状況(内腔)まで確認できる→循環器内科/心臓血管外科

【低線量】
放射線感受性が高い小児に使いやすい→小児科

【物質選択的な画像解析】
画像のカルシウム部分を除去することで、骨のなかの軟部組織を精密に確認できる→整形外科
冠動脈の画像では内腔の造影剤と壁の石灰化との判別が困難な場合があるが、石灰化部分だけ除去できる→循環器内科/心臓血管外科


シーメンス社の説明によると、血流や骨を識別する精度の高い画像診断を実現するとともに、1秒未満での撮影や、被ばく線量を約100分の1に減少した撮影が可能だそうです。すごい技術だと思いますが、当面の問題はお値段だと思います。他の記事によると、定価10億円だそうです。

「NAEOTOM Alpha」で撮影した頭部血管

「NAEOTOM Alpha」で撮影した心臓における石灰化除去

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