極端な糖質制限ダイエット(低糖質・高タンパク質食)で心血管イベントリスクが6割上昇!

低炭水化物ダイエットご用心…発症リスク高まる

以下は、記事の抜粋です。


炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるとの研究を、ハーバード大などのグループが発表した。炭水化物を減らすダイエットが日本でも広まっているが、慎重に取り組む必要がありそうだ。

同研究グループは1991~2年、スウェーデンの30~49歳の女性4万3396人の食生活を調査し、その後平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査した。

1270例の発症例を、炭水化物とたんぱく質の摂取量によって10段階に分けて分析。炭水化物の摂取量が1段階減り、たんぱく質の摂取量が1段階増えるごとに、それぞれ発症の危険が4%ずつ増えた。一般的に炭水化物を制限する食事では高たんぱく質になる傾向がある。低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1.6倍高まった。


元論文のタイトルは、”Low carbohydrate-high protein diet and incidence of cardiovascular diseases in Swedish women: prospective cohort study”です(論文をみる)。研究者らは郵便でアンケートを依頼し、回答を送った人々を15.7年間追跡調査しました。

1270例の心血管イベント発症例の内訳は、心筋梗塞などの虚血性心疾患703例、脳梗塞294例、脳出血70例、くも膜下出血121例、末梢動脈疾患82例でした。低糖質・高タンパク質食で有意に増加したのは、虚血性心疾患と脳梗塞でした。記事にもありますが、一番極端な糖質制限群では、心血管イベント発生率が6割も上昇したそうです。また、植物性タンパクでも動物性タンパクでも差はなかったそうです。

論文によると、これまでにも糖質制限と心血管イベントの関連を示唆する報告はあったそうです。おそらく低糖質・高タンパク質食群では血中のLDLが高かったのではないかと思われますが、データはありません。いずれにしても、糖質制限ダイエットをしている人は、心血管イベントのリスクが高いことを意識して欲しいと思います。時々、血中のLDLなどを測定してみてはいかがでしょうか?

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