以下は、記事の抜粋です。
カルピスは12月11日、同社の乳酸菌飲料に短期的な記憶力や集中力を高める作用があることを、物忘れの自覚がある中高年者を対象にした実験で確認したと発表した。乳酸菌飲料「カルピス」に含まれるアミノ酸結合成分「ペプチド」が、記憶力の改善に役立っているという。
実験結果は先に米ハワイ州で開かれた国際機能性食品学会で発表した。カルピスは実験参加者を増やして研究を続け、新たな飲料製品やサプリメント(栄養補助食品)などの商品開発につなげる考えだ。
実験は、物忘れを自覚している45~70歳の男女20人に、通常の飲み方で希釈したカルピス200ミリリットルを8週間にわたり毎日飲んでもらい、記憶力をテストした。時間内に野菜や動物の名前をできるだけ多く答える「言語」、読み上げた数字を覚えて答える「集中力」の二つの分野で、飲用前は世代平均を下回っていた実験参加者の得点が、飲用後は平均を上回った。
下の記事に、同じ内容がもっと詳しく紹介されています。
乳酸菌飲料の飲用が短期記憶力や集中力を向上させる – カルピスが確認
もっともらしい、下のようなグラフがついています。
グラフの説明:乳酸菌飲料の高次脳機能への影響。乳酸菌飲料(殺菌)200mlを1日1回、朝食前に8週間飲用したところ、「総合点」「言語」「集中力」「短期記憶」の4つが飲用しなかった場合に比べ有意に改善することが確認された。
また、下の記事にはカルピスが体脂肪を減らすことが紹介されています。
乳酸菌の摂取による体脂肪の低減作用を確認 /カルピス
これにも、下のようなグラフがついています。
グラフの説明: 「CP1563株」破砕菌体摂取群はプラセボ摂取群と比較して、体脂肪率の推移に有意(P<0.01)な差が認められました(図1参照)。また、腹部CTスキャンによる体脂肪面積測定の結果、「CP1563株」破砕菌体摂取群はプラセボ摂取群と比較して、体脂肪面積が低下する傾向が認められました。さらに、摂取前の体脂肪の多い方は 体脂肪面積が減少しやすいことが分かりました(図2参照)。
どちらも学会発表されただけで論文にはなっていません。本当なら大変興味深い結果なので、プロスワンのような査読の厳しい雑誌にも載るでしょう。
1つ目の記事ではコントロール(プラセボ)として何を使ったのかよくわかりません。糖分やカフェインにも脳高次機能への影響はあると思います。2つ目の記事の問題は、投与したのは菌が入ったカプセルなのに、カルピスを飲んだら体脂肪が減るかのような印象を与えることです。カルピスをたくさん飲めば太ると思います。
どちらもエラーバーが大きく、本当に有意差があるとしたら驚きです。
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