以下は、記事の抜粋です。
体毛がなく、長寿でがんができないなどのユニークな性質を持つ「ハダカデバネズミ」の全ゲノム解読に、韓国と中国、米国、デンマークの共同研究チームが成功した。
細胞の老化を防ぐ遺伝子が活発に働き続けるなど、人や他のネズミとは違う特徴が見つかった。仕組みを調べ人で再現する薬を開発すれば、抗加齢やがん治療に役立ちそうだ。10月13日付のネイチャーに発表する。
ハダカデバネズミは、アフリカ東部のサバンナに80匹程度の集団で生息。大きさはマウスとほぼ同じだが、平均寿命は28年とマウスの約10倍。運動能力も20年以上衰えないなど、若さを保つ驚異的な能力が注目を集めている。
解析の結果、遺伝子の数は人や他のネズミとほぼ同じ2万2561個だが、固有の遺伝子グループが96種類あった。細胞の老化に伴って短くなる「テロメア」を保護する遺伝子や、DNAの傷を補修してがん化を防ぐ遺伝子などが活発に働いていた。
元論文のタイトルは、”Genome sequencing reveals insights into physiology and longevity of the naked mole rat”です(論文をみる)。
関連記事で紹介したように、ハダカデバネズミは、その名のとおり、門歯が発達していて、毛のほとんどないげっ歯類です。大きさは、頭胴長80~92mm、尾長28~40mm、体重30~80gで、えさは、主として草の根や地下植物を食べています。
ソマリア、エチオピア、ケニア北部に生息し、地下に掘ったトンネル状の巣穴で生活し、地上に出てくることはめったにありません。通常40~90匹の群れで生活しますが、このなかで繁殖できるのはただ1頭のメスと2~3頭のオスだけで、集団の中に不妊の階級をもつ「真社会性(eusociality)」の哺乳類です。
繁殖にかかわらない他の個体はすべて働き手となり、巣を守る少数の「兵隊」、その他大勢の「労働者」の階層に分かれます。赤ちゃんの体温低下を防ぐため、肉布団になる係もいるそうです。17-8種類の鳴き声でコミュニケーションをとることで、この社会構造を維持しており、女王だけに許された声もあるそうです。
さらに、上の記事にもあるように、寿命はマウスの約10倍で、30年近くも生きます。そして、発がんに抵抗性で、これまでどんな種類のがんも見つかっていないそうです。また、加齢による酸化ストレス感受性やユビキチン化タンパクの増加も認められないそうです。そのため、寿命や発がんの研究対象として、近年注目を集めています。
ハダカデバネズミの全ゲノム解析と発現解析の結果、発がん、変温性、無毛、低酸素耐性、視機能、概日リズム、味覚などに関連する遺伝子でユニークなゲノム特性が明らかになったそうです。これらのゲノム情報が、驚くべき長寿や真っ暗で低酸素という悪条件での生活への適応などを解明する手がかりになることが期待されると書かれています。しかし、それほど驚くような結果は無く、テロメアと寿命、サブスタンスPと感覚など、予想されたもの、あるいはなるほどというものが多い印象です。
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ハダカデバネズミ
コメント
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はだかでばねずみに
似てるって
言われてから
なんか 愛着が湧いてしまい、
読まさせて頂きました。
すごいですね、
はだかでばねずみ♪
でも 名前は
酷すぎます(笑)