ビタミンEのサプリメントで前立腺がんリスクが増加

ビタミンEのサプリメントで前立腺がんリスクが増加、米研究

以下は、記事の抜粋です。


ビタミンEのサプリメントの摂取と前立腺がんリスクの17%の上昇の間に強い相関性が見られたとする研究結果が、11日の米国医師会雑誌(JAMA)に発表された。

セレンやビタミンEの摂取による前立腺がんの予防効果を調べる「Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial(SELECT)」は2001年から、米国、カナダ、プエルトリコの男性3万5000人以上を対象にランダム化比較試験を行った。

男性を「セレンを摂取する」「ビタミンEを毎日400 IU(国際単位)摂取する」「両方摂取する」「プラシーボを摂取する」の4グループに分けて追跡調査した。

2008年の中間報告によると、前立腺がんの発症はビタミンEを摂取したグループでやや多かったが、統計的に有意な差ではなかった。その後、ビタミンEによる前立腺がんリスクが統計的に有意な域に近づいたため、SELECTは2008年に中止された。

10年間の追跡調査の結果、前立腺がんを発症したのはビタミンEのグループで620人と、突出して多かった。セレンだけを摂取したグループで575人、セレンとビタミンEの両方を摂取したグループで555人、プラシーボを摂取したグループで529人だった。ビタミンEのこうした効果は摂取をやめたあとも継続する可能性がある。
ビタミンEのサプリメント
元論文のタイトルは、”Vitamin E and the Risk of Prostate Cancer: The Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial (SELECT)”です(論文をみる)。

最近、高齢女性のサプリメント摂取がカルシウムを除いて死亡リスクの上昇と関連するという記事を書いたところですが、今度は男性に関する話題です。

SELECTという臨床試験が行われたのは、ブラジルナッツやマグロ、牛肉に含まれる微量ミネラルのセレンおよびビタミンEには、前立腺がんリスクを下げる効果があるのではないか、という仮説を立てたからだそうです。予想と逆の結論が出たわけですが、そういう場合の結論は信用できると思います。

やはり、サプリメントの摂りすぎは体に良くないという結論です。ただし、セレンとビタミンEの両方を摂取したグループの前立腺がんの発症は増えていないので、セレンにはビタミンEの発がん作用を抑制する働きがあるかもしれません。

論文は、エビデンスのない広告を信じてサプリメントを過剰に摂取することを強く警告しています。ビタミンEサプリが前立腺がんを増やすメカニズムはわからないので、他のがんも増やす可能性があります。ビタミンEはバランスの良い食事から摂るだけにしましょう。

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コメント

  1. taniyan より:

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    tak先生
    お早う御座います。
    大変考えさせる記事、驚き。
    自分は今vitaminE(d-α-トコフェロール)300mgを日々一錠摂取、必要量の100倍以上かも。
    もう20年以上。
    幸い前立腺はまだ大丈夫そうですが今後どうするか悩みます、おまけに脂溶性vitaminだし。
     
    困ったなーです。
                taniyan

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