認知症リスクが高まるHbA1c値は?
以下は、記事の抜粋です。
高血糖状態が続くと、アルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドβ」が溜まりやすくなり、認知症発症リスクが高まるとされる。糖尿病患者が認知症リスクを減らすために目標とすべき血糖コントロールはどの程度か。Chris Moran氏らの研究。
1996年1月1日~2015年9月30日の期間中、50歳以上の2型糖尿病を有するKaiser Permanente Northern California統合医療システムの会員を対象とした。データは2020年2月~2023年1月に解析された。
参加者はHbA1c値が6%未満、6~7%未満、7~8%未満、8~9%未満、9~10%未満、10%以上に該当する割合に基づいて分類された。主要アウトカムは認知症の発症。累積血糖曝露と認知症との関連を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・計25万3,211例が登録され、参加者の平均年齢は61.5歳、53.1%が男性であった。追跡期間の平均は5.9年であった。
・HbA1c値測定回数の50%以上が9~10%未満または10%以上であった参加者は、50%以下であった参加者と比較して認知症リスクが高かった(9~10%未満の調整後ハザード比[aHR]:1.31]、10%以上のaHR:1.74)。
・対照的に、6%未満、6~7%未満、7~8%未満が50%以上の参加者は認知症リスクが低かった(6%未満のaHR:0.92、6~7%未満のaHR:0.79、7~8%未満のaHR:0.93)。
研究者は「認知症リスクは累積HbA1c値が9%以上の成人で最も高かった。これらの結果は、高齢の2型糖尿病患者に対して現在推奨されている緩やかな血糖目標値を支持するものである」としている。
脳は、思ったよりも高血糖に対して抵抗性があるみたいです。でも、HbA1cが8%を超えると心不全のリスクが高まるという報告があるので、安心しないでください(記事をみる)。
九州大学が行っている「久山町研究」では、高齢糖尿病患者では認知症の合併が多いことが明らかになっている。糖尿病のある人ではそうでない人に比べ、アルツハイマー病や血管性認知症の発症リスクが2~4倍に上昇するという報告もあります(記事をみる)。人種によって違うのでしょうか?それにしても違いすぎるような気がします。
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