バイオジェンとエーザイ、アルツハイマー病治験薬の試験を中止
以下は、記事の抜粋です。
バイオジェンと開発パートナーのエーザイは、最終段階にあったアルツハイマー病治験薬の臨床試験を中止するとの決定を明らかにした。ニューヨーク株式市場では、バイオジェン株価は一時28%急落した。
両社はこの治験薬「アデュカヌマブ」の有効性と安全性を評価する試験結果に基づき、この治療法が効果を表す公算は小さいと判断されたため、試験を打ち切ることにしたと説明。
バイオジェンのミシェル・ボナッソスCEOはリリースで、「この残念なお知らせにより、アルツハイマー病の複雑さ、およびニューロサイエンスに関する知見が進展する必要性を再認識した」とコメントした。
アルツハイマー病治療薬を巡っては、複数の製薬会社でも十分な有効性を認められない試験結果が続いていたが、アデュカヌマブへの期待は高かった。
以前のブログ記事で、2018年の5月13日に、日刊工業新聞がアデュカヌマブについて、「アデュカヌマブ」は脳内からAβの凝集体を除去する意図で開発が進む。エーザイは陽電子放射断層撮影(PET)検査でAβの脳への沈着状況を診断するなどし、早期AD患者を同剤の第3相臨床試験に組み入れている。20年度ごろに発売したい考えだ。」と明るい希望を書いていました。アデュカヌマブはAβに対するモノクローナル抗体です。
しかし私は同じブログ記事に、同じ年にBloombergから2月15日に出された記事に「2月14日の米株式市場で、バイオジェンの株価が急落した。アルツハイマー病治療薬の臨床試験に変更を加えると明らかにしたことが嫌気された。この分野では競合他社による治療薬開発の失敗が相次いでいる。
バイオジェンは同日の投資家向けプレゼンテーションで、アデュカヌマブの試験に参加する患者を約500人追加すると説明。試験は最終段階にあり、今年後半に完全な結果が出る見通しとなっていた。開発最終段階のアルツハイマー病治療薬で、アデュカヌマブは試験が依然として行われている数少ない薬の一つ。」と書かれていることを指摘して以下のように書きました。
私の知る限りでは、アルツハイマー業界では、「アミロイドβ仮説」に基づく新薬候補の臨床試験が次々と失敗に終わった結果、「アミロイドβ仮説」に対する疑念が高まっているはずです。日刊工業新聞の記事は、ブルームバーグの3ヵ月前の記事をまったく無視しています。2つの記事をみて、あなたはエーザイの株を買いますか?
3月22日のBloombergの記事によると、エーザイ株がストップ安気配だそうです。同じ日の日経の記事によると、エーザイは残り2つの抗認知症薬、エレンベセスタットとBAN2401の開発を続けるそうです。
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