元プロサッカー選手における神経変性疾患による死亡率
以下は、New England Journal of Medicineに掲載された論文要約の抜粋です。
背景
接触を伴うスポーツを行っていた一流アスリートにおいて,神経変性疾患が報告されている.元プロサッカー選手における神経変性疾患の発症の特徴は十分には明らかにされていない.
方 法
元プロサッカー選手(スコットランド人)7,676 人における神経変性疾患による死亡率を,性別,年齢,社会的剥奪の程度に基づき選手にマッチさせた一般集団の対照 23,028 人と比較する後ろ向きコホート研究を行った.2 つのコホートで,認知症治療のために調剤された薬剤に関するデータも比較した.
結 果
全死因死亡率は,70 歳までは元選手のほうが対照よりも低かったが,その後は元選手のほうが高かった.虚血性心疾患による死亡率は,元選手のほうが対照よりも低く(ハザード比 0.80),肺癌による死亡率についても同様であった(ハザード比 0.53).主因として記載された神経変性疾患による死亡率は,元サッカー選手で 1.7%,対照で 0.5%であった(サブハザード比 [虚血性心疾患による死亡と癌による死亡の競合リスクで補正したハザード比] 3.45).元選手において,死亡診断書に主因または一因として記載された神経変性疾患による死亡率は,疾患のサブタイプによって異なり,アルツハイマー病患者でもっとも高く(ハザード比 [元選手 対 対照] 5.07),パーキンソン病患者でもっとも低かった(ハザード比 2.15).認知症関連薬が処方された頻度は,元選手のほうが対照よりも高かった(オッズ比 4.90,).ゴールキーパーとフィールドプレーヤーとで,主因または一因として記載された神経変性疾患による死亡率に有意差は認められなかったが,認知症関連薬が処方された頻度はゴールキーパーのほうが低かった(オッズ比 0.41).
結 論
この後ろ向き疫学解析では,スコットランド人の元プロサッカー選手は,神経変性疾患による死亡率がマッチさせた対照よりも高く,それ以外の一般的な疾患による死亡率は低かった.認知症関連薬が処方された頻度は,元選手のほうが対照よりも高かった.
やはりヘディングが悪いと思います。
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