新型コロナは最近の変異(D614G)で感染力は初期のウイルスの3~8倍

新型コロナは変異で感染力アップも、症状重くせず 東大など発表
この東京新聞のタイトルは非常に誤解を招きやすいものです。重症化しないような印象を与えますが違います。しかも、ハムスターでの動物実験データです。以下は、記事の抜粋です。


新型コロナウイルスは遺伝子が変異したことで人の細胞への感染力が増し、飛沫感染しやすくなったことを動物実験で確かめたと、東京大などが11月12日発表した。一方で、症状を重くするような病原性の変化は起きていないという。

細胞侵入能力3~8倍に
新型コロナウイルスでは遺伝物質RNAが1カ所変化する「D614G」という変異が発生し、表面のタンパク質の構造が変わっていた。現在世界中で流行しているウイルスはこの変異型が大半を占める一方、この変異によってウイルスの性質がどう変わるかの詳細な研究はなかった。

東大医科研の河岡教授らの研究グループは、従来型と変異型のウイルスを感染させたハムスター各8匹を、1匹ずつ別のおりに入れた。それぞれのおりから5センチ離したおりに未感染のハムスターを入れたところ、2日後には変異型の横にいた8匹のうち5匹が感染した。一方、従来型は1匹も感染がみられなかった。4日たつと、従来型、変異型とも全ペアで感染が起きたものの、変異型では早く飛沫感染が起きており、伝搬しやすいことが分かった。

試験管内の実験では、変異型の方が従来型より人の細胞に入る能力が3~8倍高かった。グループでは「変異型が非常に短期間で従来のウイルスを凌駕りょうがして広がったことを説明づける」としている。

症状には差なく、ワクチンも効果
一方で、どちらの型に感染したハムスターも肺炎の重さに差がなかった。また、感染して回復した人からとった抗体を、二つの型のウイルスに反応させたところ差は見られず、従来型をもとに開発したワクチンでも、変異型に対して同じ効果が期待できるという。


元論文のタイトルは、”SARS-CoV-2 D614G variant exhibits efficient replication ex vivo and transmission in vivo(SARS-CoV-2 D614G変異体は、効率的なex vivoでの複製とin vivoでの伝搬を示す)”です(論文をみる)。簡単に言うと、オリジナルのウイルスよりも増殖も速く、そのためか他の個体への感染も速いということです。

第1波や第2波を食い止めた同じレベルの対策を講じても世界中で感染が拡大している理由はこの変異かもしれません。北海道でもこの新しい変異株が「Go toトラベル」で持ち込まれた可能性が高いです。菅首相は国民に対して、「基本的な感染防止対策に努めていただきたい」と協力を求めたそうですが、基本的な感染防止策は「接触と移動の抑制」です、「Go toキャンペーン」は接触と移動を推進するものです。本当に経済と両立する気があるなら、非常に難しいだとは思いますが、もっと具体的なコメントをすべきです。

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