1日のうち食事可能な時間枠を制限する「Time-Restricted Feeding(時間制限摂食)」はダイエットに有効

断食時間の長短にかかわらず断食は減量に効果あり
断食すれば体重が減るのは当然ですが、ダイエットに有効かどうかは議論のあるところです。1日の中で飲食してもよい時間を制限する「時間制限付きファスティング(断食)」が有効なようです。以下は、記事の抜粋です。


イリノイ大学のKrista Varady氏らが実施したこの試験では、食べてよい1日の時間枠を6時間に制限した場合と、より厳格に4時間に制限した場合とで減量効果に差はないことも示されたという。

Varady氏によると、1日のうち食事可能な時間枠を制限するこのダイエット法は、「インターミッテント・ファスティング(断続的断食)」と呼ばれる断食方法の一種である。その原理は単純で、1日のうち食べてもよい時間枠を設定し、それ以外の時間は断食するというものだ。ただし、断食の時間中でも、水とカロリーフリーの飲み物は摂取してもよい。

カロリー摂取量を気にせず好きなものを食べてよいこの断食法は、継続が比較的簡単であることから、人気のダイエット法になった。ただ、その有効性を裏付ける科学的な根拠が十分にあるとはいえなかった。動物実験では、身体の炎症マーカーの抑制から腸内細菌叢の改善や減量まで、さまざまな面で有効に作用することが確認されているが、ヒトでは不明だった。

Varady氏らは、肥満の成人を1日のうちでの食事可能な時間枠を午後3~7時の4時間に制限するファスティング群、午後1~7時の6時間に制限するファスティング群、通常の食生活や運動習慣を続ける対照群のいずれかにランダムに割り付けて、時間制限付きファスティングの効果を検証した。試験参加者は、体重、インスリン抵抗性、酸化ストレス、血圧、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、炎症マーカーを10週間にわたって追跡された。

その結果、8週間後に2つのファスティング群では、対照群に比べて、1日当たりの摂取カロリーが約550kcal減少しており、インスリン抵抗性と酸化ストレスのレベルも低下していることが明らかになった。いずれのファスティング群も、体重は平均で約3%減少していたが、食べてもよい時間を4時間に制限した群と6時間に制限した群の間に、体重減少量の差は認められなかった。また、いずれの群においても、血圧やLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライドには変化が見られなかった。

ただし、今回の臨床試験でも、最初のうちは、頭痛やめまいが生じる参加者が現れ、試験を完遂できなかった人もいた。ただ、参加者がこの食事パターンに慣れてくるに従い、こうした症状は消失したという。


元論文のタイトルは、”Effects of 4- and 6-h Time-Restricted Feeding on Weight and Cardiometabolic Health: A Randomized Controlled Trial in Adults with Obesity(4時間および6時間の時間制限摂食が体重と心血管代謝の健康に及ぼす影響:肥満の成人を対象としたランダム化比較試験。)”です(論文をみる)。

午後1時から7時の間には何でも好きなだけ食べても良いというのは、カロリーを計算するよりも受け入れ易いと思います。かなりしっかりとした研究のようですので、ダイエット希望の方はやってみても良いと思います。

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