Withコロナ時代に迎えるインフルエンザシーズンはどうなる?
とても気になるテーマです。以下は、記事の抜粋です。
例年、12月頃からインフルエンザの流行シーズンを迎えます。新型コロナが流行している状況下でのインフルエンザシーズンはどうなるのでしょうか?新型コロナについては現在、季節性の流行は確認されていませんが、夏よりも冬に流行しやすい可能性があります。つまり、この冬はインフルエンザと新型コロナが同時に流行する可能性があります。
新型コロナとインフルエンザの症状はよく似ている
発熱、頭痛、筋肉痛、頭痛、咳といった症状はどちらでも見られます。一方、息切れ、嗅覚・味覚障害という症状は新型コロナに特徴的と言えますが、必ずみられる症状というわけではないため、症状だけでこの2つの感染症を区別することは実際には難しいことが多いです。
新型コロナとインフルエンザの違い
症状はよく似ていますが、それ以外についてはどうでしょう。重症化しやすい人も、高齢者や基礎疾患のある方というところは共通していますが、インフルエンザでは2歳未満の小児もハイリスクとされます。
潜伏期はインフルエンザが1~4日、新型コロナが2~14日であり、症状の持続期間も典型的にはインフルエンザでは1週間程度で改善するのに対し、新型コロナでは2~3週に及ぶことがあります。また、新型コロナでは発症する前にも他の人に感染をうつしてしまうことがあり、これは発症後に感染性のピークがあるインフルエンザとの大きな違いです。
新型コロナとインフルエンザ、どちらも疑われた場合の診断は?
前述のように、新型コロナとインフルエンザはよく似た症状を示します。しかし、インフルエンザは致死率0.01~0.1%程度であるのに対し、新型コロナは数%の方が亡くなる感染症であり、この2つの感染症は決して同等に扱って良い疾患ではありません。
治療に使われる薬剤が異なります。さらに新型コロナではステロイド薬が有効であるとされる一方、インフルエンザではステロイドはむしろ重症化につながる可能性があります。したがって、この2つの感染症をしっかりと区別し、正しく診断することが重要になってきます。
インフルエンザを疑った場合は症状や周囲の流行状況から検査をせずにインフルエンザと診断してしまうこともよく行われていましたが、今シーズンは新型コロナとの区別のためにインフルエンザの抗原検査を実施することが求められるでしょう。
通常、インフルエンザの抗原検査は鼻咽頭拭い液を採取して行いますが、新型コロナの可能性が少しでもある場合、医療従事者は個人防護具の装着など十分な感染対策を行った上で検査を行う必要があるため、医療現場の負担が増大することが懸念されます。
インフルエンザワクチンの接種はコロナにも良い影響を与えるかもしれない
例年インフルエンザ流行前に、特にハイリスクの方はインフルエンザワクチンを接種することが推奨されています。インフルエンザワクチンは、もしかしたらですが、新型コロナにも良い影響があるかもしれないという研究も出てきています。
JAMA(米国医師会誌)の記事によれば「65歳以上の高齢者では、インフルエンザワクチン接種をしていた方が、新型コロナによる死亡も減る」という研究が現在投稿されているとのことです。また、現在冬を迎えている南半球(ブラジル)からは、インフルエンザの予防接種を受けていた人は、そうでない人よりもインフルエンザだけでなく、新型コロナ感染症による重症化リスク・死亡リスクが減った(死亡率が17%減少)という研究もあります(査読前)。
もちろんインフルエンザワクチンを接種することで、インフルエンザの流行を抑えることが期待されますので、そういう意味でもインフルエンザワクチンの接種は推奨されます。
日本国民が新型コロナの感染対策を徹底することによって本来流行していたはずのインフルエンザも減ったのではないかと考えられています。また現在、インフルエンザの流行シーズンを迎えているはずの南半球でも驚くほどインフルエンザの症例数は少ないようです。海外でも新型コロナに対する感染対策がインフルエンザの流行に影響を与えているのかもしれません。
今まで新型コロナウイルスに感染している可能性のある患者を受け入れていなかった病院や医院でインフルエンザの患者が来た場合、どうなるのでしょうか?防護具(PPE)をつけてまで鼻咽頭拭い液を採取するのでしょうか?
医院や病院に受診を拒否され、新型コロナウイルス感染ではないかとおののきながら、家で家族から隔離されて寝込んでいるインフルエンザ難民が巷にあふれる可能性があります。ワクチンの接種をお勧めします。
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