「嗅覚障害」には嗅覚トレーニングが有効

新型コロナウイルスで注目を集めた「嗅覚障害」、いち早く嗅覚を取り戻すための方法が報告される
以下は、記事の抜粋です。


新型コロナウイルスの感染者の症状の1つとして注目を集めたのが嗅覚障害だ。においが分からなくなる症状で、回復後もそうした異常が続く場合がある。新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザや風邪が治った後、後遺症として嗅覚障害を発する場合もある。こちらは感冒後嗅覚障害と呼ばれている。

研究グループは、嗅覚異常の治療に関する過去研究をシステマティックに分析し論文発表した。その中で有効な方法は、特定の食べ物のにおいを嗅ぐ嗅覚トレーニングだ。嗅覚トレーニングは嗅覚障害の治療として以前より採用されてきた治療法だ。

よくあるのはクローブ、バラ、レモン、ユーカリの4種の香りを使うやり方だ。具体的には、朝晩にそれぞれの臭いを数十秒だけ嗅ぐ。それだけだ。上記の香りである必要はなく、他にもオレンジの皮、ナツメグ、ミント、挽いたコーヒー豆、ココナッツ、バニラなどもよく使われる。手に入りやすく、心地いいと感じられる香りを利用すればいい。

このトレーニングを行うことで、臭いを感じる細胞の再生が促されて、嗅覚を回復させることができる。また脳内の嗅覚を司る領域にも効果が現れるそうだ。


元論文のタイトルは、”Clinical Olfactory Working Group consensus statement on the treatment of postinfectious olfactory dysfunction”です(論文をみる)。

このシステマティックレビューでは、467の論文を調べ、その中の40の論文が評価の基準を満たすと判断しました。11はランダム化した臨床試験でした。ステロイドなどによる治療も含めて非常に多くの治療法が比較された結果、上の記事に書かれている嗅覚トレーニングだけが高く評価されました。

ビタミンAについては、一部から評価されたもののすべてのグループから高い評価が得られているわけではないので、論文の推奨は嗅覚トレーニングだけだと思います。

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