3剤配合の高血圧症治療薬…オルメサルタン・アムロジピン・ヒドロクロロチアジド

FDAから3剤配合の高血圧症治療薬の承認取得―第一三共

以下は、記事の抜粋です。


第一三共は7月27日、米国子会社の第一三共Incが米食品医薬品局(FDA)から、高血圧症治療薬の3剤の配合剤であるTRIBENZORの販売承認を23日付で取得したと発表した。

第一三共が創製したアンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)オルメサルタンのほか、カルシウム(Ca)拮抗薬アムロジピン、利尿薬ヒドロクロロチアジドの配合剤で、臨床試験では、このうち2剤の併用時よりもさらに優れた降圧効果を示したという。

日本では開発していない。


オルメサルタン・アムロジピン・ヒドロクロロチアジドとは、究極の組み合わせだと思います。降圧薬も来る所まで来た感があります。

第一三共は2010年1月20日、オルメサルタン・メドキソミル(プロドラッグ)/アゼルニジピン配合製剤(商品名:レザルタス配合錠LD、同配合錠HD)の日本での製造承認を取得しました。「配合錠LD」は、オルメサルタン10mgとアゼルニジピン8mgを含有し、「配合錠HD」は、それぞれ20mgと16mgを含有します。ところが、このレザルタスは、国内のみの開発だそうです。

海外ではオルメサルタンとCa拮抗薬のアムロジピンの配合剤の承認を受け、米国で「AZOR」の名称で07年10月に発売、欧州では08年11月までに「SEVIKAR」の名称で独、英、仏などで承認を受けています。今回は、AZORにヒドロクロロチアジドを配合したTRIBENZOR(商品名)が米国での販売承認を獲得したというニュースです。

アゼルニジピンは、同じCa拮抗薬のアムロジピンに比べて脈拍数減少作用、耐糖能や炎症マーカーの改善作用が強いという報告もありますが、アムロジピンは半減期が長く(30時間以上)、知名度が高いことや薬物相互作用が少ないなどの安心感があり、実際には市場を席巻しています。

アゼルニジピンの半減期は結構長い(約20時間)ですが、代謝が肝代謝(CYP3A4) で薬物相互作用があるところが痛いですね。おそらく、米国では現実的な判断をした結果、オルメサルタンの配合相手として安価で安定性のあるアムロジピンを選んだのだと思います。

メーカーにとってはジェネリック対策、患者や医師にとっては服薬コンプライアンスの向上、経済的負担も単剤の組み合わせよりも低いなどメリットの多い配合剤ですが、Ca拮抗薬による下腿浮腫などあまり知られていない副作用などが出現した場合は、その原因の特定が難しくなると思います。また、医師があまり頭を使わなくなる可能性もあります。

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