Is Avandia Safe? Conflicting Information Swirls
以下は、記事の抜粋です。
2つの臨床研究の結果が月曜日(6月28日)に発表され、アバンディア(一般名:ロシグリタゾン)の安全性に関する懸念が非常に高まった。これらの研究によると、糖尿病を治療するためにロシグリタゾンを服用している人々は、心臓発作や脳卒中そして死亡そのもののリスクが増大するというのだ。
JAMAに発表された研究では、アバンディアあるいはアクトス(一般名:ピオグリタゾン)を服用する227,000名の患者を調べた結果、アバンディアを使用する患者において、脳卒中、心疾患そして死亡のリスクがより高いと報告された。
2つ目のAIMに発表された研究は、2007年のメタ解析の結果、即ち、アバンディアは心臓発作リスクを増大するという結果を確認したと報告した。
1つ目の論文の著者の一人、FDAのDavid Graham氏は、今週広く報道されたインタビューで、アバンディアを服用した後、約50,000人の高齢アメリカ人が脳卒中あるいは心不全で死亡したと推定されると述べた。
一方、薬品メーカーのグラクソスミスクライン(GSK)は、アバンディアは安全であると主張し、これらの研究に反論している。
GSKのスポークスマンMary Anne Rhyne氏は、Graham氏による推定について、「彼が推定した50,000という数字は真実を反映していない。もしも、その数字が正しいなら、既に施行された臨床研究でも同様の結果が得られるはずだが、そのような副作用結果を報告したものは皆無だ。」と主張している。
ところが驚いたことに、月曜日に報告された3つ目の研究は、他の2つと全く逆の結論に到達している。Orlandoで開催されたアメリカ糖尿病学会で発表されたその結果は、アバンディアは心臓発作と脳卒中そしてこれらに関連する死亡を減少させることを示唆している。
下の参考記事に書かれているように、アバンディア(一般名:ロシグリタゾン)もアクトス(一般名:ピオグリタゾン)もどちらもチアゾリジンジオン誘導体(TZD)で、脂肪細胞に多く発現する核内受容体型転写因子PPARγのリガンド結合部位にアゴニストとして作用して活性化するとされています。
活性化されたPPARγは、レチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成して、DNA上のPPAR応答領域(PPRE)に結合し、アディポネクチンなどの標的遺伝子の発現を調節します。このように、理論的には2つの薬物の作用は同じです。
臨床研究で差が出るのは、アバンディア群の糖尿病患者はアクトス群より重症で、より心不全を発生しやすい状態に置かれていたためだとする意見もあります。
臨床研究の場合、交絡因子などの影響によって正反対の結果がでることもあるという極端な例の一つだと思います。今後の動きに注目したいと思います。
BOSTON LEGAL HELP CENTERという法律事務所のサイトにあった写真
参考記事
糖尿病薬アバンディア(一般名:ロシグリタゾン)の心臓へのリスクについて
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