健康食品「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明
この記事をめぐって、「判明してません」とかいう反論記事も出て、少し騒然としています。以下に記事の抜粋を紹介してから、私の意見を書きます。
「ターメリック」、またの名を「ウコン」は、日本では二日酔いに効くとされ、本場インドでは傷薬や虫刺され、ひいては「ガンに効く」とまで言われています。ウコンは民間療法にも用いられる万能プレイヤーとして認識されているのですが、実は医学的な効能は認められていません。
ウコンにはさまざまな種類が存在しており、健康食品として用いられるのは、苦みがあって黄色が強い「春ウコン」で、中に含まれているクルクミンに効果があると考えられてきました。
しかし、ミネソタ大学の研究チームによる論文では、クルクミンに含まれる物質について「不安定かつ科学的に反応性が高く、体内に吸収できない化合物であるため、(薬剤の開発に役立つ)可能性は極めて少ない」とする結論を導き出しています。
論文著者ののWalters氏は「クルクミンの研究に投じられるリソースを、他に研究されるべき何千という化学物質の研究に投じるべきである」としています。 ミネソタ大学の研究チームによる論文は、以下のリンクから閲覧することができます。
The Essential Medicinal Chemistry of Curcumin – Journal of Medicinal Chemistry
この記事に対して、以下の2つの反論記事がありました。
判明してません。『「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明』はガセ
2つ目の記事の著者は、「筆者はウコンやクルクミンに関する活動を行っているどのような企業とも、営利・非営利を問わず関係を持っていません。」と書いていますが、最初の強い反論を書いている著者は何も書いていません。
いずれにしても、この2つの記事に共通する点は、記事が根拠としている論文は「ウコンに医学的な効果がない」ではなく、「クルクミンに医学的な効果がない」と結論しているから、「『ウコンは効かない』とは言えない」と主張していることです。
しかし、もともと「ウコンの力」を含めてウコンを含むすべての食品は、薬品はもちろんトクホ(特定保健品)にも指定されていないので、効果・効能を書けないはずです。また、これらのほとんどは、以下のようにクルクミンの含有量が多いことを謳っており、いかにもクルクミンに効能があるかのように宣伝しています。
以上のことから、Gigazineの記事は、タイトルは少し言い過ぎかもしれないけど、ガセではないと思います。
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