目的:小児の非穿孔性急性虫垂炎に対する抗生剤による非外科的治療の実行可能性と安全性を評価する。
方法:50例を無作為に外科的治療26例と非外科的抗生剤治療24例に振り分けた。外科的治療群は全員病理組織学的に急性虫垂炎であることが確認され、重篤な合併症は認められなかった。一方、24例の非外科的治療群の中、2例は一次抗生剤治療中に、1例は9か月後に再発し虫垂切除術を受けた。追跡期間中に6例が虫垂切除術を受けたが、全例の組織病理学的検査において虫垂炎のエビデンスは認められなかった。
結論:非外科的抗生剤治療を行った24例中22例は、初期に症状が解決した。これらの22例中1例のみが追跡期間中に急性虫垂炎が再発したが、62%の患者は追跡期間中に虫垂切除術を受けなかった。これらの結果は、小児の急性虫垂炎の非手術的治療が実行可能かつ安全であることを示唆しており、非手術的治療の研究をさらに進めるべきである。
大昔ですが、患者さんの手術はドンドンやって、多忙を理由に自分の「アッペは散らす」外科医がいました。大人の場合は違うかもしれませんが、この論文をみると彼のやっていたこともそれほど滅茶苦茶ではなかったのかもしれません。
コメント
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「急性虫垂炎」であり、がん化して骨盤に癒着して手遅れにならないことが開腹手術をしなくても判るレベルまで医療が進歩したことは、人類の福祉にプラスだと思いました。
虫垂のがんは、検便のスクリーニングでは見つかりにくいので、「急性虫垂炎」の際に「腫れと痛みが収まる」だけでなく開腹手術なしに組織が検査できるのは喜ばしいことです。