アルコール依存症の「妙薬」 仏で商品化申請へ

アルコール依存症の「妙薬」 仏で商品化申請へ

以下は、記事の抜粋です。


筋肉けいれんの治療薬「バクロフェン」について、アルコール依存症にも実際に効果があることを裏付ける新たな証拠が提示された。

仏製薬会社のEthypharmは、アルコール依存症治療薬としてのバクロフェンの仏国内での商品化申請を月内に提出するとしている。

17日にパリ(Paris)で行われた会議で発表されたのは、2012年5月から13年6月にかけて18~65歳の大量飲酒者320人を対象に行われた臨床試験についての報告だ。その結果、飲酒をやめた、もしくは飲酒量が減った被験者は、プラシーボのグループで37%だったのに対し、バクロフェンが投与されたグループでは57%だった。

バクロフェンは筋肉のけいれんの治療のために広く使用されているが、フランスの保健当局は2014年、アルコール依存症の治療への使用についても暫定的に承認している。他の国でも、多くの人が処方箋なしでバクロフェンをアルコール依存症の治療に使用しているとみられている。


本ブログでもバクロフェンがアルコール依存症に効果があるという論文と臨床試験に入るというニュースを2012年に関連記事として紹介しました(記事をみる)。また、2010年6月~2013年9月にアルコール依存症の専門外来を受診した患者100人にバクロフェンを1年にわたって投与し、有効性と安全性を評価したオープンラベルの前向き試験の結果も2015年に紹介しました(記事をみる)。

関連記事にも書きましたが、バクロフェンは、種々の痙性麻痺をきたす疾患や脳卒中の後遺症の治療に対して用いられ、筋肉をほぐし、痛みをやわらげる効果があるといわれています。商品名は、リオレサール®やギャバロン®で、一般名を冠したジェネリック医薬もあります。発見から50年以上経過した古い薬で、薬価も1錠20~30円と大変安価です。

以上のように、バクロフェンのアルコール依存症に対する効果は確立したようですが、日本政府もメディアも飲酒に対して寛容なのと、財布に優しすぎて儲からないので製薬会社は商品化に乗り出さないかもしれません。

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