日光による紫外線はガラス窓越しでも肌にダメージを与えるのか?
以下は、記事の抜粋です。
電車やバスに乗る時、日当たりのいい窓際の席を選ぶ人もいれば、逆に日焼けしないように窓際を避ける人もいます。ガラス窓越しに日光を浴びた時、皮膚に対してどれだけのダメージがあるのかについての解説です。
太陽から地球に到達する紫外線のうち、約95%が波長320~400nmの「UVA(紫外線A波)」で、約5%が波長280~320nmの「UVB(紫外線B波)」です。日本皮膚科学会によれば、波長が長いUVAの方が皮膚の奥にまで影響を及ぼしますが、波長の短いUVBの方が生物に対する影響は強くなるとのこと。UVAは皮膚の奥深くまで浸透して皮膚がんを引き起こす可能性があり、UVBは皮膚の上層部にしか到達しないものの、日焼けや白内障、皮膚がんの原因になるそうです。
家や車の窓に使われているガラスは、UVBの透過をほぼ完全に遮断できるとのこと。しかし、UVAについてはガラス1枚だと完全に遮断はできません。
例えば車のフロントガラスは積層ガラスでできており、UVAの放射を98%遮断できます。しかし、車の側面や後部の窓は強化ガラスで、UVAを完全に遮断できないことがわかっています。
この事実は、皮膚がんを発症した部位にも影響があります。左側通行のアメリカで行われた調査では、顔・頭皮・腕・足の皮膚がんは右側よりも左側に多く、腕の場合は左側が右側の20倍多かったとのこと。一方、右側通行のオーストラリアでの研究では反対に、体の左側よりも右側に皮膚の損傷や皮膚がんが多かったことがわかっています。
ただし、灰色や茶色に着色されているガラスはUVA遮断率が高く、最大で95%のUVAをブロックすることがこれまでの研究でわかっています。そのため、もし車の窓に色がついている場合は日焼け止めを塗る必要はないとのこと。
自宅や会社のガラス窓の場合、UVAの遮断率は25%~55%ほどといわれています。単板ガラスはほとんどのUVAを透過してしまいますが、厚いガラスや着色ガラス、コーティングガラスはより多くのUVAを遮断可能。オフィスや商業施設で使われる窓ガラスのほとんどはUVA保護性能が優れており、遮断率は75%を超えるといわれています。
以下の記事をみると、日当たりのいい窓際の席でも大丈夫な電車もあるみたいです。
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