足首の骨折から2週間経過後から歩くようにした方が6週間固定した場合よりも回復が2倍以上速い。

足の骨折は早く歩き始めたほうが治るのが早いという研究結果、可能であれば骨折から2週間で歩き出すべきという意見も
以下は、記事の抜粋です。


一般的に、足首を含む足を骨折した場合、少なくとも6週間は松葉づえを使って負荷をかけない方がよいとされています。しかし、近年の研究では骨折した場合、できる限り早く歩き始めて体重による負荷をかけた方が骨折の回復が早くなることが分かっているそうです。

骨折した場合、基本的に医師はまず安定性を確保するため、折れた骨を所定の位置に保持するための「固定」を行います。また、骨折の度合いにによってはボルトやプレートを埋め込む手術も行われます。

骨折によって生じた隙間にはまず「カルス」と呼ばれる不完全な骨組織が形成され、次第に骨へと変化します。クイーン・メアリー病院のクリス・ブレザトン氏によると、このプロセスでは適切な量の負荷や動きが重要とのこと。負荷が弱すぎた場合、カルスが発生しない一方、負荷が強すぎると骨が正しく接合しなくなってしまいます。そのため、折れた骨にある程度の負荷をかけることは治療促進のために必要不可欠だとブレザトン氏は主張しています。

また、長期間にわたり骨折箇所をギプスで固定して松葉づえを使用した場合、その箇所の筋肉が完全に萎縮してしまいます。ロンドン大学のアレックス・トロンペーター氏は「これまでの研究で、筋肉量の減少速度は、筋肉量の増加速度よりもはるかに速いことが分かっています。

筋肉量と同様に、失った骨量を回復させるのは困難で、体重を支えるための力を入れる必要がない宇宙空間に長期滞在した宇宙飛行士の骨量が大幅に減少していることが分かっており、6カ月国際宇宙ステーション(ISS)に滞在するとおよそ20年分の老化に相当する骨量減少に苦しむことになることが判明しています。こうした骨量や筋肉量の損失を防ぐため、ISS滞在中の宇宙飛行士は1日数時間の運動を行っているそうです。

さらに、骨折を理由にベッドに寝たきりになると、血栓や肺の衰えなどの深刻な合併症を引き起こす可能性が指摘されています。

2024年の研究では、足首を骨折した480人の患者を半分に分け、片方のグループには骨折から2週間経過後から歩くように指示した一方で、もう片方のグループには6週間固定し続けるように指示しました。その結果、早期に歩き始めたグループは骨折から6週間後、6週間患部を固定したグループは骨折から4カ月後に機能が回復したことが報告されました。


元論文のタイトルは、”Early versus delayed weight-bearing following operatively treated ankle fracture (WAX): a non-inferiority, multicentre, randomised controlled trial(手術による足関節骨折後の早期体重負荷と遅延体重負荷:非劣性多施設無作為化比較試験)”です(論文をみる)。

これまでの医学常識が通用しなくなることは、まだまだ出てきそうです。勉強しなければついて行けません。

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