バドミントンのペアの名前ではありません。友人から、感染症の講師が「迷ったらクラビット(一般名:レボフロキサシン)」ではなく、「迷ったらオグサワ」と言っていたというので、以下にいろいろ調べた結果を自分へのメモとして書いておきます。
「オグサワ」は、医療現場(特に感染症診療)において、抗菌薬であるオーグメンチン(アモキシシリン・クラブラン酸)とサワシリン(アモキシシリン)を併用する処方の略称です。「市中肺炎などの外来感染症で、治療薬に迷ったらまずはこれ」という意味で使われることが多い、代表的な処方パターンです。
オグサワ処方のポイント
目的: アモキシシリンを「高用量」で使用し、耐性菌や肺炎球菌・インフルエンザ菌などの感染症をしっかり治療するため。
メリット:
高い抗菌効果: 肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ菌、口腔内常在菌(誤嚥性肺炎)の大部分をカバー可能。
副作用軽減: オーグメンチンだけを倍量(4錠)にしてアモキシシリン量を増やすと、クラブラン酸の副作用(下痢・吐き気)が強くなる。そのため、アモキシシリン単味のサワシリンを併用することで、下痢を抑えつつ抗菌力を高める。
用途: 外来で診る市中肺炎、急性中耳炎、副鼻腔炎、動物咬傷(犬・猫)など。注意点下痢: クラブラン酸が原因で下痢が起きやすくなるため、整腸剤を併用することが多い。
代表的な処方例(成人)
1日3回、食後に服用するパターンが一般的です。
オーグメンチン配合錠250RS:1回 1錠、サワシリンカプセル250(または錠):1回 1錠服用方法:1日3回(毎食後)、5〜7日間程度この組み合わせにより、1回あたりのアモキシシリン量を500mg(1日1500mg)に増やしつつ、副作用の原因となるクラブラン酸の量を抑えることができます。
処方の狙い(成分内訳)
日本のオーグメンチン(250RS)はアモキシシリン:クラブラン酸の比率が 2:1 となっており、これだけで必要量のアモキシシリンを摂ろうとするとクラブラン酸が過剰になり、激しい下痢を引き起こします。サワシリンを足すことで、国際基準に近い 4:1 などの比率に調整するのが「オグサワ」のテクニックです。
小児の場合の考え方
小児では「オグサワ」という呼び方よりも、同様の配合比(14:1)を1剤で実現しているクラバモックスがよく使われます。サワシリン(アモキシシリン)単体で処方する場合は、体重1kgあたり1日20〜40mgを3〜4回に分けて服用するのが標準的です。
注意点
重複投与の指摘: 薬局で「同じ系統の薬が2種類出ています」と確認(疑義照会)されることがありますが、これは意図的な処方です。下痢対策: クラブラン酸による下痢を防ぐため、耐性乳酸菌製剤(ビオフェルミンRなど)が一緒に処方されることが多くあります。


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