「1日で2歳分も老化する」腎機能を落とす超意外な敵→腎機能を低下させる悪循環スパイラル
以下は、記事の抜粋です。
以前は腎臓が悪い人には「安静」をすすめるのが普通でした。しかし、安静を保っていると、心身の衰えが進んでかえって病状が悪化してしまう人が多いのです。
人の筋肉量は中年以降じわじわと少しずつ低下していきます。通常でも、30代以降、1年歳をとるごとに平均1%ずつ筋肉量が落ち、5年経てば5%、30年経てば30%の筋肉が減ります。丸1日ずっと体を動かさずに安静にしていると、1日で2%もの筋肉量が低下してしまうことが明らかになっています。もし、10日間ずっと絶対安静にしていたとしたら、1日2%ペースで行けば10日間で20%もの筋肉がごっそりと失われてしまうことになります。
筋肉量や筋力の低下が急速に進むと「サルコペニア」(筋肉減少症)と呼ばれる状態に陥って、運動機能が大きく低下します。さらに、サルコペニアが悪化すると、いっそう身体機能が低下し、体重減少や運動機能の低下も加わって「フレイル」と呼ばれる衰弱状態に陥ります。そして、このフレイルのすぐ先にはたいへん高い確率で「寝たきり状態」が待ち受けていることになります。
腎臓には心臓が送り出す血液の4分の1が流れ込んでいるのですが、安静によって筋肉量が低下すると血液を全身に循環させる力も落ちて、腎臓に十分な量の血液が入ってこなくなります。これによって腎機能低下がいちだんと加速してしまうのです。
また、慢性腎臓病の患者さんの中には(昔流の治療方針に従って)厳しい食事制限をしている人も多く、そういう方々の中には栄養不足に陥る人も目立ちます。こうした栄養不足に陥ると、自分の体の筋肉を分解してたんぱく質を補うシステムが働いて、筋肉量がよりいっそう減ってしまうのです。
しかも、この「筋肉→たんぱく質」の分解が進むと、結果的にたんぱく質を大量に食べたのと同じことになり、これが腎臓に大きな負担をかけることになります。まさに腎機能を低下させるマイナスのスパイラルが回り始めたようなものであり、こうした悪循環ダメージが重なると、みるみる濾過機能が低下して、短期間で人工透析になってしまうことも少なくないのです。
■腎臓リハビリの運動療法「3つの柱」
① 「腎臓ウォームアップ体操」(筋肉や関節をほぐして体を温める準備体操)
② 「らくらく筋トレ」(効率よく簡単に筋肉量をキープできるトレーニング)
③ 「腎活性ウォーキング」(血流を促進して腎臓の働きをよくする有酸素運動)
運動には腎臓の機能を維持・回復させる大きな力があります。これら3つの運動を組み合わせて行なうと、相乗効果が発揮されて効率よく腎臓の力を高めていくことができるのです。いずれも、運動が苦手な人でも問題なく継続していくことができるよう工夫を凝らしてあります。
腎臓は弱ってきてもほとんど症状が出ない「沈黙の臓器」ですので、いつの間にか機能低下してしまうことが少なくありません。少しでも腎臓の健康が気になるならば、早めに腎臓リハビリをスタートするほうがいいでしょう。
上の記事は、東北大名誉教授の上月氏の主張を基に書かれています。どのくらいのエビデンスで言われているのかわかりませんが、以前はいろいろな病気に良いとされていた「安静」が否定されるのは、腎臓だけではなく骨折や心臓や肺の病気でも運動による「リハビリ」が推奨されています。以下の画像は上月氏の記事からです。


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