アメリカ疾病管理予防センターが「すべての人への追加接種」を推奨した新型コロナワクチンは以前のワクチンとどう違うのか?
以下は、記事の抜粋です。
アメリカでは2023年8月頃から、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株から派生した「EG.5(通称エリス)」の流行により入院患者が急増しているほか、日本でもEG.5による感染の「第9波」が警戒されています。感染者数の拡大を受けて、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が2023年9月12日に、ほぼすべての人が全員新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの追加接種を受けるべきであるとする声明を発表しました。
CDCは9月12日のプレスリリースで「ワクチン接種は、依然としてCOVID-19関連の入院や死亡に対する最善の予防策です。また、ワクチン接種は急性感染の最中または感染後に発症し、長期間続く可能性があるコロナ後遺症(Long COVID)の影響を受ける可能性も減らします。過去2カ月間COVID-19ワクチンの接種を受けていない場合は、この秋から冬にかけて身を守るために最新のCOVID-19ワクチン接種を受けてください」と述べて、生後6カ月以上のすべての人にワクチンを推奨すると呼びかけました。
これまでアメリカで使用可能だった2価ワクチンは、オリジナルのSARS-CoV-2と初期のオミクロン株を対象としており、いずれもほとんど流行していないことから、当局による推奨から外れているとのこと。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は9月11日に、EG.5の派生元であるXBB.1.5系統に対応したファイザーとモデルナの1価ワクチンを承認しました。
さらに、CDCも9月12日に開かれた予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)の会合で、新しい1価ワクチンの接種を推進する決議を13対1の賛成多数で可決しました。
FDAは、前回のワクチン接種から2カ月以上経過した5歳以上の人は、これまでの接種歴にかかわらず今回承認された新しいワクチンの接種を1回受けられるとしています。また、生後6カ月以上5歳未満の人は、接種歴に応じてmRNAワクチンの接種を1~3回受けられるとのこと。
CDCのマンディ・コーエン所長は、「COVID-19による最悪の結果を防ぐための手段は、これまで以上に充実しています。CDCは目下、あなたとあなたの大切な人をより守れるように、6カ月以上のすべての人に最新のCOVID-19ワクチン接種を受けることを推奨しています」と呼びかけました。
また、CDCの会合で唯一反対票を投じたオハイオ州立大学のパブロ・サンチェス氏は、その理由について「私がこのワクチンに反対しているわけではないことは明確にしておきます。データは確かに素晴らしいようです。ただし、子ども、幼児、一部のグループに関するデータが非常に限られており、特に若い大人における潜在的な副作用について懸念する必要があることだけをコメントしておきたいと思います」と説明しました。
なお、日本の厚生労働省は9月1日にXBB.1.5系統に対応したファイザーの1価ワクチンを承認しているほか、12日にはモデルナのワクチンも承認しています。
アメリカのCDCは、日本の「分科会」などとは違って、政府や企業からある程度独立しているので、私はその決定や判断を重視しています。私もEG.5の派生元であるXBB.1.5系統に対応したファイザーとモデルナの1価ワクチンを推奨します。
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