1型糖尿病、徳島大で治験 自己の「幹細胞」使い完治目指す
以下は、記事の抜粋です。
血糖値を下げるホルモンのインスリンが分泌されなくなる1型糖尿病患者に対し、患者自身の細胞から、さまざまな細胞のもととなる「幹細胞」を取り出し、インスリンを出す細胞を作り出して移植する臨床試験を、徳島大のチームが10月24日までに始めた。自らの細胞から作るため拒絶反応のリスクが低いといい、完治を目指す。
1型糖尿病は、膵臓の細胞が自己免疫などによって壊れて発症する。患者は血糖値を下げるためにインスリン注射が不可欠である。国内に約10万~14万人の患者がいるとみられ、子どもの発症が多いとされるが成人発症も多い。
徳島大の池本教授らのチームは、脂肪から作られる多機能性幹細胞の一種「脂肪由来幹細胞」に注目。患者の脚の付け根から皮下脂肪1グラムを採取、脂肪由来幹細胞を分離して増やし、インスリン産生細胞(IPC)を作製した。
インスリンは膵臓から分泌される。IPCを膵臓に近い腸間膜に移植することで、血液中の糖濃度に応じてインスリンが体内へと供給される仕組みだ。人工的に高血糖状態にしたマウスの実験では450日以上血糖値が正常化したという。
9月から重症患者を対象に実施。移植後の血糖値コントロールを分析して安全性を確認する。計3例を予定、池本教授は「感染症や拒絶反応のリスクが低く、治療の選択肢が広がる」と話す。
2030年までの治療確立を目指し、実用化に向けて自動培養の設備などに充てる資金を11月末までクラウドファンディングで募っている。
1型糖尿病は、自己免疫の異常によって膵臓のインスリン産生細胞(β細胞)が破壊される自己免疫疾患で、抗GAD抗体、抗インスリン抗体などの自己抗体が血液検査で陽性になります。
「自らの細胞から作るため拒絶反応のリスクが低い」のは分かりますが、自己免疫は移植したIPC細胞を攻撃しないのでしょうか?それが気になります。いずれにしても、成功を祈ります。


コメント