30週末禁煙法と医療者にできる励まし
以下は、大阪国際がんセンターの田淵貴大氏が書かれた「新型タバコを吸っている患者に伝えたいこと(1)」に書かれている「補足コラム」の抜粋です。
タバコをやめる方法は禁煙外来だけではありません。実際に禁煙した方の約80%は、自力でやめることができた人です。禁煙外来には行けない場合や行けない事情がある場合もあるでしょう。自力で禁煙するというのもいい方法だと思います。
次のようなタイミングに禁煙を始めるといいかもしれません。人によって、ちょうどいいタイミングがあると思います。たとえば、金曜の夕方に仕事を終え、土日に家族と一緒に過ごして月曜の朝まで禁煙すれば、ほぼ3 日間はタバコをやめられます。3 日間禁煙すれば、平均的にはニコチンの離脱症状もおさまる頃です。そのままずっとやめてみるよう勧めてみてください。それで、いつの間にかやめられたという人が結構います。タバコを吸いたくなったら、水を飲んだり、ガムをかんだり、走ったり、うまく紛らわせられるといいですね。
もちろん、禁煙が1回でうまくいくとは限りません。金曜夜からの禁煙に毎週チャレンジしてもらってもいいと思います。いつか禁煙に成功できると思います。もっと極端なことをいえば、毎日、朝起きたときには、もうすでに7~8時間は禁煙に成功しています。当たり前ですが、人間の体はタバコを吸わなくても大丈夫なようにできています。
毎日でも禁煙にチャレンジしてほしいと思っています。毎週でも毎日でも、失敗を恐れず、何度でもチャレンジしてほしいです。1回で禁煙できなかったとしても、それは意志が弱いからではありません。タバコ会社によって意図的に誘導されたニコチン依存の結果なのです。タバコ製品そのものが悪いのであって、喫煙者は被害者です。何度でも禁煙にチャレンジすれば、いつか必ず禁煙できます。いろいろな方法で禁煙すればいいのです。1回や2回禁煙に失敗しても、10 回、20 回とチャレンジして、最終的に禁煙できたら必ずいいことがあると励まし続けていただきたいと思います。
私は禁煙の先輩から、「禁煙して3ヵ月ぐらいまでは他人のタバコの煙が煙たくないが、それ以降は煙たくなってくる。そうなれば、禁煙成功だ!」から言われたことを覚えています。実際、禁煙して1ヶ月ぐらいでは、むしろ他人のタバコの煙を吸うことが快感でした。ですので、上の記事で「3 日間禁煙すれば、平均的にはニコチンの離脱症状もおさまる」というのに驚きました。
「ニコチンの離脱症状」というのが「精神的にニコチンを渇望する状態」も含むのであれば、3日間というのは明らかに短すぎると思います。本当にそんな短期間で離脱症状がおさまるのでしょうか?以下は、循環器病センターのサイトにある図です。明らかにタバコを吸いたいという「精神的依存」は3ヵ月以上続きます。それがタバコが止められない最大の原因です。
コメント