腸内細菌は脳のタンパク質のグリコシル化(糖鎖付加)に影響する

腸内細菌がどうやって脳を操っているのか?その方法が明らかに
元記事は書きすぎだと思ったので、慎重な内容に書き換えました。以下は抜粋です。


過去の研究で、腸内細菌叢が孤独感やうつ病といった心の状態に関係していることが示唆されている。アルツハイマー病が腸内細菌によって感染するという驚きの報告もある。こうした事例は、脳とお腹の中の細菌には密接な関係があることをはっきりと示している。

だが問題はそれがどのようにつながっているのかということだ。今回の欧州分子生物学研究所のチームは、その鍵は「タンパク質」と「糖」にあるという。タンパク質には、さまざまな糖が付着する。これを「グリコシル化(糖鎖付加)」という。。

欧州分子生物学研究所のクレメント・ポーテル氏は、グリコシル化は細胞同士の接着やコミュニケーション、がんや神経障害まで、さまざまなことに影響すると説明する。

このように重要なグリコシル化だが、これまでこれを調べることは非常に難しかった。ポーテル氏らは、新開発した「DQGlyco」という方法によって、マウスの体内にある15万以上のグリコシル化したタンパク質(プロテオフォーム)が特定され、組織や細胞ごとのパターンを詳しく調べた。

ポーテル氏らは普通のマウスと腸内細菌をまったく持たないマウスとを比べた。すると、脳内のグリコシル化に違いがあることがわかったのだ。

そうした違いは、「認知」や「軸索の成長」といった脳の働きに関係するタンパク質でよく見られた。つまり腸内細菌は、何らかの方法でそうしたタンパク質のグリコシル化を変化させ、それを通じて脳の働きを左右している可能性がある。


元論文のタイトルは、”Uncovering protein glycosylation dynamics and heterogeneity using deep quantitative glycoprofiling (DQGlyco)(deep quantitative glycoprofiling(DQGlyco)を用いたタンパク質のグリコシル化ダイナミクスと不均一性の解明)”です(論文をみる)。以下は、論文要約からの抜粋です。カラパイヤの記事が断定的に書きすぎていることが良くわかります。


本論文では、deep quantitative glycoprofiling (DQGlyco)を紹介し、これまでにない深さでのタンパク質のグリコシル化ダイナミクスを調べる。マウスの組織特異的なグリコシル化パターンを解析し、規定された腸内細菌叢がマウスの脳のグリコプロテオームを大幅にリモデリングすることを実証し、腸内細菌叢と脳タンパク質機能の関連に光を当てた。

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