理研の改革にはアクションプランよりも文科省の中にある旧科学技術庁組織の解体が必要

理研が研究不正防止アクションプラン
以下は、記事の抜粋です。


理化学研究所は野依理事長らが8月27日、都内で会見し、「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」を発表した。この中で、理研のガバナンスの強化、STAP細胞研究の場となった発生・再生科学総合研究センターの解体的な出直し、研究不正防止策の強化、改革を着実に実行するための第三者によるアクションプラン実施のモニタリング-の4つの柱を掲げた。・・・・・・


発生・再生科学総合研究センターを「多細胞システム形成研究センター(仮称)」に名前を変えて人数を半分にすれば、解体的出直しになるのでしょうか?地道に働いていた多くの研究者が困惑するだけです。他のプランもすべて机上の空論で、問題があるとされる理研での研究環境は何も変わらないでしょう。

2001年、中央省庁再編で文部省と科学技術庁とが統合されて文部科学省が誕生しましたが、14年経っても旧組織、特に科学技術庁系の組織はほぼそのまま残っています。特に、理研は旧科技庁組織の一部そのものです。その証拠に、現在の理研の幹部(理事)は、飾りの野依氏、理研の事務出身1名と研究者出身1名、企業の研究者出身1名と2名の科技庁出身者の6名です(理研のサイトをみる)。

予算体系も14年変わらず、みごとに旧文部省系と旧科技庁系に分かれたままです。研究者一人あたりの研究費は圧倒的に理研が豊富です。しかし、toshi_tomie氏によると、任期制研究員が1,048人で常勤研究員は302人です。このあたりに、笹井氏が京大教授を辞めて理研に移り、若山氏が理研を辞めて山梨大へ移った理由があります。

理研の研究者が文科省や学振の科学研究費に応募するのは、お金が欲しいからではなく、履歴書に研究費獲得の実績を書くためだそうです。これがなければ、任期終了後の再就職に影響します。お金のあるところにさらにお金が集まる仕組みです。

このように、理研の非人道的な研究体制を支えているのは、今回のアクションプランでも手つかずで温存される旧科学技術庁組織です。これを解体しなければ、CDBを解体してもどんな厳しい倫理規範を作っても理研は変わらないでしょう。

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