子宮頸がん予防ワクチン、男性の接種費用を全額助成 東京・品川区

子宮頸がん予防ワクチン、男性の接種費用を全額助成 東京・品川区
以下は、記事の抜粋です。


東京都品川区は3月28日、女性の子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防するワクチン接種について、区内在住の小学6年生~高校1年生相当の男性の接種費用を全額助成すると発表した。対象は約7千人。4月から始め、計3回の接種にかかる費用を助成する。360人程度が接種すると見込む。接種は任意のため、区は広報誌やSNSなどで周知するほか、学校を通じて保護者に通知するという。主に性交渉を通じて感染するため、男性への接種を増やし、女性の感染リスクを抑えたい狙いがある。

森沢恭子区長は記者会見で、「男性もかかる可能性があるいくつかのがんの予防効果があり、多くの方が接種することでHPVウイルスの感染拡大防止の効果も示されている。男性にもしっかり接種していただきたい」と話した。HPVは男性にも性感染症や肛門(こうもん)がん、中咽頭(いんとう)がんなどを引き起こす原因となることがわかっている。


記事でははっきりと書かれていませんが、ほとんどの子宮頸がんはHPVというウイルスによって媒介される「性病(性行為感染症)」です。関連記事で紹介したように、世界の男性の 3 人に 1 人が性器ヒトパピローマウイルスに感染していると言われています。女性が子宮頸がんで亡くなった場合、そのパートナーの誰かが殺人犯の可能性が高いです。このように、男性のHPVワクチン接種は非常に重要です。

オーストラリアや欧米では、HPVワクチンの普及によって子宮頸がんは近い将来にほぼ撲滅される予定です(記事をみる)。一方、日本では、2013年にHPVワクチンが定期接種化されましたが、副反応疑いの症状が大きく報道され、2013年6月に積極的勧奨を差し控えることになりました。その後、2022年に積極的勧奨が再開し、接種率が低い世代への救済措置として、1997-2005年度生まれを対象としたキャッチアップ接種も3年間限定で行われていまが、接種率はまだまだ戻ってきていません。

子宮頸がんスクリーニングの受診率も他国と比べて低く、このままでは、予防できるはず、救えるはずの子宮頸がん患者さんが、日本でのみ増え続けることになってしまいます。実際、日本では毎年2,500人以上の女性が子宮頸がんで亡くなっています。以下の図のように、先進国の中で唯一、子宮頸がんの罹患率も死亡率も上昇傾向にあります(論文をみる)。

昨年9月の東京都議会において、小池 百合子知事が「子宮頸がんの主たる原因となるHPVワクチンについて、女性だけでなく男性への接種が進むよう、行政への支援を検討する」という方針を示しました(記事をみる)。very グッジョブだと思います。

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今後15年間の子宮頸がん罹患率(青線)と死亡率(赤線)の予測推移を国別に示したものです。実線は観察された罹患率と死亡率、破線は予測された罹患率と死亡率を示している。

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