米大使館:百田氏発言「大虐殺なかった」に自制促す
以下は、記事の抜粋です。
在日米大使館の報道担当官は2月7日、毎日新聞の取材に、NHK経営委員の百田尚樹氏が東京都知事選の街頭演説で「南京大虐殺はなかった」などと語ったことについて「責任ある立場の人物は、地域の緊張をさらに悪化させるような発言を控えるよう望む」とコメントし、自制を促した。
NHK新会長の籾井勝人氏が就任会見で、従軍慰安婦について「戦争をしているどこの国にもあった」と発言したり、百田氏と同じ経営委員の長谷川三千子氏が、朝日新聞社で1993年に拳銃自殺した右翼団体幹部を礼賛する追悼文を発表したり、NHK関係者の刺激的発言が続いています。
彼らが本気でこう信じているのか、こういう発言をすると、今の政府にウケると考えているのかわからないですが、事実に興味を持ったので、池田信夫さんの「こども版 『南京大虐殺って何?』」を読みました。以下は、その抜粋です(元記事をみる)。
1937年に日本軍が日中戦争で国民党政府のあった南京を攻撃して陥落させたとき、兵隊と住民に多くの犠牲者が出た南京事件のことです。当時の日本軍が中国兵を殺したのは事実で、民間人を殺したことも事実です。
中国は「30万人が虐殺された」と主張していますが、この数字には客観的根拠がなく、当時の南京市の人口が25万人だったので不可能です。数万人というのが多くの歴史家の推定です。これを虐殺と呼ぶなら虐殺ですが、戦争はすべて虐殺です。それが「大」か「小」かを議論しても意味がありません。
それより問題は、なぜ日本軍が南京まで行ったのかということです。日本政府は方針を出していなかったのですが、満州(今の中国東北地方)にいた関東軍(満州にいた日本陸軍)が勝手に南下しはじめたのです。
問題は大虐殺かどうかではなく、日本軍が目的も計画もなしに(当時権益の認められていなかった満州以外の)中国に戦線を広げたことです。そのおかげで内戦が長期化して国民党が消耗し、結果的には共産党が中国を支配しました。のちに毛沢東は「共産党が政権を取れたのは日本軍のおかげだ」と感謝しました。共産党を助けた日中戦争を、右翼のみなさんが「正しい戦争だった」というのは皮肉です。
関東軍の暴走による戦線拡大が中国共産党を助けたというなら、関東軍の暴走はさらに日本を第2次世界大戦へと導き、更には世界大戦がなければあり得なかった民主国家へと導いたといえるでしょう。「塞翁が馬」だなと思いました。
コメント