よくネットを使う高齢者は認知症のリスクが圧倒的に低いという研究結果
以下は、記事の抜粋です。
近年では中高年でも日常的にインターネットを使用する人が増えています。認知症のない中高年を追跡した研究では、「インターネットを使う高齢者は認知症のリスクが低い」という結果が報告されています。
ニューヨーク大学医学部の研究チームは、インターネットの定期的な使用が高齢者の認知症リスクとどのように関連しているのか、インターネットの使用時間による影響の変化はあるのかについて研究を行いました。
研究チームが利用したのは、アメリカに住む50歳以上の中高年を対象にしたHealth and Retirement studyという調査のデータです。この調査では、1966年以前に生まれた合計1万8154人の被験者を追跡しています。データの収集期間は2002年~2018年の間で、被験者の年齢は調査開始時点で50~65歳、追跡期間の中央値は8年でした。
被験者のうち65%が定期的にインターネットを使用しており、35%は不定期なインターネットユーザーでした。調査期間中にインターネットの使用習慣が変わったのは21%で、53%は変わらずで、残る26%は追跡調査中に何らかの原因で連絡が取れなくなったか、認知症を発症したか、あるいは死亡したとのこと。調査中に認知症を発症したのは被験者のうち5%で、8%が死亡またはその他の要因で研究から除外されたそうです。
その結果、研究開始時点でインターネットユーザーだった中高年は認知症発症リスクが1.54%だったのに対し、非定期的なインターネットユーザーはリスクが10.45%でした。調査開始時点で認知症の兆候がない人に対象を限定した場合、インターネットユーザーの認知症発症リスクは非定期的なインターネットユーザーの62%と、やはり定期的にインターネットを使用する人は認知症リスクが低いことが示されました。
また、インターネットの使用時間との関連を見ると、最も認知症リスクが低かったのは1日あたりのインターネットの使用時間が6分~2時間のグループであり、2時間を超えると次第に認知症のリスクは増加していく傾向がみられたとのことです。
元論文のタイトルは、”Internet usage and the prospective risk of dementia: A population-based cohort study(インターネット利用と認知症の将来リスク: 集団ベースのコホート研究)”です(論文をみる)。
認知症じゃないからネットを使っている可能性を否定できませんが、嬉しい報告です。
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