自宅でアルツハイマー病検査 愛知県や豊橋技科大などが機器
以下は、記事の抜粋です。
愛知県や豊橋技術科学大などの共同研究開発チームは1月21日、一滴の血液でアルツハイマー病など病気の原因物質を検出する機器を開発したと発表した。
自宅で利用できることから、病気の早期発見・治療につながるとしている。がんやノロウイルスなどの検出にも応用が可能で、2015年度末までの実用化を目指す。
チームは病気で血液中に現れるたんぱく質と化学処理した特殊な抗体を反応させ、その際に生じるわずかな電流を感知する半導体センサーを開発。具体例として、アミロイドβの検出に成功した。
これまでの技術では病院で血液採取を行い、高価な医療機器での検査が必要だった。新技術では10分ほどで済み、数万円程度の測定機器さえあれば1枚約100円の半導体センサーの費用だけで検査が可能となる。検査は半導体センサーを埋め込んだ検査キットに採取した血液をのせ、測定機器に入れるだけ。
長寿医療研究センターの滝川氏は「自宅で簡単に検査ができるため予防的効果が期待でき、医療費の抑制にもつながる」、矢吹氏は「高感度でコストが低く、しかも短時間で検査が可能になる。非常にユニークな研究だ」と語った。
「高感度でコストが低く、しかも短時間で検査が可能になる。非常にユニークな研究だ」というのが本当だとしても、これらの検査を自宅でやる意味はどの程度あるのでしょうか?がんについては、治療後の再発のモニターに使える可能性があると思いますが、アルツハイマー病やノロウイルスはどうでしょう?
「ノロウイルス迅速検査は百害あって一利なし」という意見に私は賛成です(記事をみる)。「感染対策の面では役には立たない。陰性でも否定ができないだけだったらいい。問題なのは陽性になることで、特に病院や施設の中で過剰な反応を引き起こし、1個でも陽性がでたら全ての下痢に疑心暗鬼になる。ノロウイルスはかかっても1~2日でほとんどの人は改善する。亡くなるのは嘔吐して誤嚥性する高齢者だが、残念ながら、検査で診断がついたからといってそれは防ぐ事はできない。結局検査しても誰も得をする人がいないのだ。」という意見です。自宅でもノロウイルス検査をやるようになれば、パニックがさらに拡大するだけのような気がします。
アルツハイマー病については、アミロイドβに対するヒト化モノクローナル抗体による治療も試みられていますが、今までのところあまり良いニュースはありません(記事をみる)。また、ドネペジル(アリセプト®)は勿論、メマンチン(メマリー®)やガランタミン(レミニール®、コリンエステラーゼの阻害に加えてニコチン受容体をアロステリックに刺激)などの新薬も、疾患の治癒や進行の抑止は望めません。これらの治療が進展しない限り、早期発見のメリットはあまりないと思います。
上の記事には、発表論文などの情報がまったくないので、この新しい方法がネットで調べて出てくるこれまでのいろいろな検査と比べて、どの程度ユニークで優れているのかわからないです。
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