以下は、記事の抜粋です。
米国立老化研究所(National Institute on Aging、NIA)によれば、食事のカロリー制限を行っても霊長類の寿命は延びないとのこと(Scienceの記事をみる)。
アカゲザルを使った、カロリー制限と老化の関連性における研究はこれまでもなされてきた。カロリー制限はインスリンの働きを良くして脂肪燃焼力を上げたり、心臓疾患や脳疾患など老化関連疾患の発症を遅らせ、「健康寿命」を延ばすという点では合致していたが、ウィスコンシン国立霊長類研究センター(WNPRC)の研究は、10%から40%のカロリー制限は実際の寿命も延ばすと報告していた。
NIAとWNPRCの研究結果に一致しない点があった理由についてだが、NIAの使用したアカゲザルのグループはWNPRCの研究に使用されたアカゲザルのグループより健康的な食事が与えられていたことに関係している可能性があるという。WNPRCのグループは精製砂糖を多く含む加工食品が与えられていたとのことで、つまり「体に悪いものを食べながらゴロゴロしているグループ」の方が、カロリー制限が寿命に与える影響がより大きくなるようだ。
元論文のタイトルは、”Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study”です(論文をみる)。
コントロール群としてやや肥満したサルを使うと寿命に差が認められるが、標準体重のサルを選ぶと差が認められないだけなのかもしれないと思いました。確かに、下の写真右側のコントロールザルはそれほど太ってはいません。
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