インフルエンザ予防に効果のあるR-1ヨーグルトを量産できるヨーグルトファクトリー
以下は、「R-1ヨーグルトにインフルエンザ予防効果がある」ことの根拠らしき部分の抜粋です。
R-1乳酸菌というのは1073R-1乳酸菌に由来します。R-1乳酸菌はEPS(多糖体)を作る乳酸菌でESP(多糖体)は免疫力を上げるというNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化するのです。
以下に、もう少し詳しそうな記事を探してきました。
R-1ヨーグルトはインフルエンザにも効果ある?徹底検証!
以下は、「R-1ヨーグルトにインフルエンザ予防効果がある」ことの根拠らしき部分の抜粋です。
「ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1」がEPSという多糖体を生成するのですが、このEPSに免疫を高める効果があるために、インフルエンザや風邪の予防力をつけてくれるのです。
生成されるEPSには、インフルエンザ対策や風邪の予防という免疫力の向上以外にも関節炎の予防効果もあると、大学などの研究機関から発表されています。
また、NK細胞の働きを活発化させるので、ウイルスに対する抵抗力も向上し、インフルエンザなどを予防する効果が見込めるのです。
“OLL1073R-1″というキーワードで文献検索サイトをサーチすると、英語の論文が5本みつかりました。5本の中、4本はマウスの実験で、ヒトの実験は1つだけです。以下の2つは、最新の論文(2011年)とヒトの論文(2010年)です。
以下は、1の抗インフルエンザ効果の実験の図ですが、調べているのはマウスのインフルエンザによる死亡率です。使われたマウスは9匹です。ヨーグルトやEPSとよばれる活性成分を投与しても、」9匹中6匹がインフルエンザで死んでいます。これを「予防する」というのでしょうか?ヨーグルトのコントロールとして通常用いられるミルクではなくて水を使っているのも気になります。
また、以下はヒトのNK細胞(ナチュラルキラー細胞)のデータです。白はミルクを飲んだグループで黒はヨーグルトを飲んだグループですが、ミルクでもNK細胞の活性が上昇しています。
特に気をつけなければいけないのは、これらの論文の著者に明治の社員が入っていることです。会社の利益になるデータを好む社員が、身分を隠して著者に入っていたディオバン®の臨床試験論文では、「利益相反」が問題になりました。都合の良いデータだけを選んでいる可能性が高いです。
上に紹介した論文や正式の臨床試験の結果に基づいて、R-1ヨーグルトの抗インフルエンザあるいは抗風邪効果が、厚労省から承認されているわけではありません。関連記事で紹介した「難消化性デキストリン」を含む機能性食品と同じように、「R-1ヨーグルトにインフルエンザ予防効果がある」という「健康効果」はかなり怪しいと思います。
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コメント
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ご指摘のとおり、これは無理があると思いますが、
「研究によると」とか「『免疫』力がアップして」とか
それらしい漢語を利用することで「印象操作」を行ない、
販売促進をやるのが狙いでしょう。
R-1はLG21より「美味しくない」と言う人が多いので、
こうした販売促進をやっても大した成果は見込めないのではなかろうかと思います。
大事なのは、宣伝よりも味ではないでしょうか。