レプリコン・ワクチン(replicon vaccine or self-amplifying mRNA vaccine)

新型コロナ「レプリコン・ワクチン」になぜ懸念の声?mRNAが自己増殖し長期間の効果に期待、だが承認は日本のみ
以下は、記事の抜粋です。


高齢者などを対象にした新型コロナワクチンの「定期接種」が2024年10月から始まります。秋からの接種では「次世代型mRNAワクチン(レプリコン・ワクチン)」が使用されますが、このワクチンに対しては一部の医療関係者が使用に懸念を表明しています。いったい、何が問題とされているのでしょうか。接種制度の変更点も含め、やさしく解説します。

2024年10月から「定期接種」に
新型コロナウイルスのワクチンは、全額を公費負担とする「特例臨時接種」として2021年6月からスタートしました。厚労省のデータによると、2024年3月末までの接種回数は延べ約4億3619万回。全人口に対する1〜3回目の接種率は、80.4%、79.5%、67.1%と高い割合を記録しました。

全額公費負担のワクチン接種は2024年3月末で終了し、2024年10月からはコロナワクチンの「定期接種」が始まります。定期接種とは、季節性インフルエンザのワクチンなどと同じように、費用の一部を利用者が自己負担する接種のことです。対象となるのは、①65歳以上の高齢者、②60〜64歳で重症化リスクの高い人。それ以外の人は完全に「任意接種」となるため、全額を自己負担せねばなりません。

厚労省が全国の自治体向けに配布した資料によると、接種1回分のワクチン代は1万1600円程度。それに医師・看護師の「手技料」を加えた費用は計1万5300円程度となっています。厚労省は①と②に該当する利用者の自己負担額を1回7000円と設計しており、その差額は市町村への交付金で賄う予定です。ただし、自治体によっては独自の補助制度を設けているケースも多く、実際の自己負担額はさらに安くなる可能性があります。定期接種の期間は2025年3月末までで、この間に自治体は接種期間を設定し、希望者にコロナワクチンを接種していくことになります。

この定期接種では、新たに「次世代型mRNAワクチン」も使用されることになっています。「レプリコン(自己増殖型)」とも呼ばれるこの新型ワクチンには、一部の医療関係者などから接種に懸念も示されていますが、いったい、どんなワクチンなのでしょうか。

レプリコン=自己増殖型とは
新型コロナ感染症対策のワクチンとしては、主にmRNAを利用したワクチンが使用され、多くの国民が接種しました。mRNAワクチンは、コロナウイルスの設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだものです。これをヒトに注射すると、mRNAに書かれた遺伝情報をもとに体内で新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)が産出されます。すると、スパイクタンパク質に対する免疫反応などが起き、コロナウイルスそのものが体内に侵入するのを防ぐことができるという仕組みでした。

mRNAを利用した医薬品は、世界の製薬企業による激しい開発競争が続いていますが、コロナワクチンで初めて実用化されたと言われています。

では、2024年10月から使用される「次世代型mRNAワクチン」は、これまでのmRNAワクチンとどこが違うのでしょうか。最大のポイントは「レプリコン(自己増殖)」にあります。

これまでのmRNAワクチンでは、mRNAはヒトの体内でスパイクタンパク質を産出させるとすぐに消えていましたが、レプリコン・ワクチンではヒトに注射すると、そのmRNAが体内で自己増殖を続けます。そのため、「次世代型」ではなく、「自己増殖型(レプリコン)」を頭に付けて呼称することもあります。免疫反応を呼び起こすmRNAが自己増殖を続けるわけですから、少量の接種で長期間の効用が出ると期待されています。

この次世代型mRNAは2023年11月、他国に先駆けて日本で初めて承認されました。2024年8月末現在でも、世界で唯一の承認国です。認可を受けたのは、米国のバイオ企業アークトゥルス・セラピューティクス社が開発したもので、日本では明治ホールディングス傘下のMeiji Seika ファルマ社が製造・販売権を取得。「コスタイベ筋注用」の名称で販売されます。

Meiji Seika ファルマ社はこのワクチンを福島県南相馬市の施設で生産するほか、2028年の稼働を目指して神奈川県小田原市にも新工場を建設します。「夢の医薬品」と呼ばれた次世代型mRNAワクチンを国内で供給する体制がいよいよスタートするのです。

日本看護倫理学会が表明した懸念の中身
もっとも、レプリコン・ワクチンに対しては、医療関係者からも使用に疑問の声が出ています。日本看護倫理学会(理事長=前田樹海=東京有明医療大学教授、会員数約900人、日本学術会議の協力学術研究団体には含まれていません)は、2024年8月7日に「新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念 自分と周りの人々のために」と題する緊急声明を発表し、「安全性および倫理性に関する懸念」を表明したのです。5つ示されたポイントのうち、重要なのは次の3点です。

レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていないという問題
日本での認可から約8カ月になるが、開発国の米国や大規模な治験を行ったベトナムなど海外では今も承認国が出ていない。

シェディングの問題
レプリコンワクチン自体が自己複製mRNAであるため、接種者から非接種者に感染(シェディング)するのではないかとの懸念がある。それは接種を望まない人にワクチン成分が取り込まれてしまうという倫理上の問題がある。

将来の安全性に関する問題
遺伝子操作型mRNAワクチンは、人体の細胞内の遺伝機構を利用し抗原タンパク質を生み出す技術であり、人間の遺伝情報や遺伝機構に及ぼす影響、とくに後世への影響についての懸念が強く存在する。(最近の研究によると)ヒトの遺伝情報に影響しないという言説は根拠を失いつつある。

また、緊急声明は、従来のmRNAワクチンでは実験段階でも接種段階でも重篤な副作用について接種の際に十分な説明が行われなかったと指摘。

そして声明は「われわれは、安全かつ倫理的に適切なワクチンの開発と普及を強く支持するものではありますが、そのいずれも担保されていない現段階において拙速にレプリコンワクチンを導入することには深刻な懸念を表明します」と結ばれています。

2024年10月から始まるコロナワクチンの定期接種でも、接種を希望する人は事前にレプリコン・ワクチンの情報を十分に集め、医師や看護師から副作用に関する説明なども十分受けて、接種するかどうかを判断することが必要になりそうです。


「レプリコンワクチン自体が自己複製mRNAであるため、接種者から非接種者に感染(シェディング)するのではないかとの懸念がある。」という懸念は全く理解できません。ワクチンが作るのはウイルスのごく一部(スパイクタンパクなど)ですので、それだけでは感染能力はありません。あり得ないことを懸念しています。他の問題についても調べてみました。レプリコンワクチンは”self-amplifying RNA vaccine(自己増幅RNAワクチン)”とも呼ばれています。以下は、2024年3月に発表されたスペインとウルグアイの研究者らによる論文からの抜粋です。日本看護倫理学会の表現は微妙ですが、インドでも承認されています。


このレビューで取り上げられている研究のほとんどでは、saRNA は免疫付与において mRNA と同等の効率性がある可能性があるだけでなく、より低用量で使用できるという追加の利点があり、ワクチンのコストを削減し、軽微な有害事象の発生を減らす可能性があることが示されています。前臨床研究でこのような有望な結果が得られたにもかかわらず、これまでに実施された少数の臨床試験から得られたデータのほとんどは、saRNAがmRNAよりも明らかに優れていることを示していない

最近、インドと日本でsaRNA(self-amplifying RNA)ワクチンが承認された。近い将来、saRNAベースのワクチンの承認が増える可能性が高いが、従来のmRNAワクチンに対する競争力を高めるために何らかの改良が必要になる可能性がある。

いくつかの研究では、saRNAワクチンをプライミングに使用する場合の問題として、自己複製RNAによって誘導される自然免疫応答の過剰活性化がブーストの効果を妨げる可能性があることが示唆されている。RNA複製の強力なアジュバント効果と低用量で済むことから、COVID-19だけでなく他の感染症や癌に対するsaRNAワクチンの承認も促進される可能性があり、mRNAワクチンの分野における第二の革命となる可能性があります。


以下は、プロメガの記事からの抜粋です。欠点も指摘されています。


潜在的な欠点
saRNA には、抗原タンパク質をコードする遺伝子とレプリカーゼ機構をコードする遺伝子が含まれています。したがって、saRNA ワクチンには、標準的な mRNA ワクチンよりもはるかに長い mRNA 配列が含まれています。saRNA が長いため、製造と送達がより困難です。

saRNA ワクチンには安全性に関する懸念もあり、臨床現場で監視する必要があります。たとえば、免疫不全の人の場合、免疫システムによる除去効率が低いため、saRNA ワクチンの効果が長く持続する可能性があります。同様に、saRNA ワクチンが胎児に追加のリスクをもたらさないことを確認するために、妊婦を対象とした安全性試験が必要になります。

もう 1 つの欠点は、saRNA の複製中に生成される中間体が好ましくない免疫反応を引き起こし、翻訳と免疫化の成功を妨げたり、より悪い副作用を引き起こしたりする可能性があることです 。


アビガンやイベルメクチンの時のように、政府は日本の医薬品会社の利益を国民の健康よりも優先する傾向があります。厚労省によると、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンが約2527万回分、mRNAが細胞内で複製される「レプリコン」という新しいタイプが約427万回分、組み換えタンパクワクチンが約270万回分。これまでのファイザーやモデルナの作った従来型のmRNAワクチンを接種して問題がなかったヒトは「レプリコン」ではないmRNAワクチンをするのが無難、というのが現時点での私の結論です。

以下は、巷に出回っているフェイク情報です。こういうことを信じるヒトと同じ空気を吸ってはいけません (^^)。

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