新型コロナウイルス、英国型変異株(N501Y)および南アフリカ型変異株(N501YかつE484K)に対するファイザー・ビヨンテックワクチンの有効性

B.1.1.7およびB.1.351バリアントに対するBNT162b2Covid-19ワクチンの有効性
以下は、論文の抜粋です。


メッセンジャーRNAワクチンBNT162b2(Pfizer–BioNTech)は、2019年の野生型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対して95%の有効性を示します。カタールは、2020年12月21日にこのワクチンによる集団予防接種キャンペーンを開始しました。2021年3月31日の時点で、合計385,853人が少なくとも1回のワクチン接種を受け、265,410人が2回の接種を完了しました。ワクチンのスケールアップは、カタールが感染の第2波と第3波を受けていたときに発生しました。これは、B.1.1.7バリアント(英国株、2021年1月中旬に開始 )およびB.1.351バリアント(南アフリカ株、2021年2月中旬に開始)の拡大によって引き起こされました。B.1.1.7は、3月の第1週にピークに達し、B.1.351の急速な拡大は、3月中旬に始まり、現在まで続いています。2月23日から3月18日まで実施されたウイルスゲノム配列決定は、カタールでのCovid-19の症例の50.0%がB.1.351によって引き起こされ、44.5%がB.1.1.7によって引き起こされたことを示しました。

B.1.1.7変異体による感染に対するワクチンの推定有効性は、2回目の投与後14日以上で89.5%でした。B.1.351バリアントによる感染に対する有効性は75.0%でした。これらによる感染による重症、重篤、または致命的な疾患に対するワクチン有効性は非常に高く、97.4%でした。

全国コホートの抗体陰性者の感染率と比較した有効率は、B.1.1.7に対して87.0%、B.1.351に対して72.1%と推定され、上記の結果が確認されました。


B.1.1.7バリアント(英国株)はN501Y変異だけを持ち、 B.1.351バリアント(南アフリカ株)はN501Y変異とE484K変異の両方を持っています。南アフリカ株に対する発症抑制効果が若干弱い気もしますが、重症化はほぼ完全に防いでいるので、十分戦えるワクチンだと思います。

また、今のワクチンが効かない変異が生じたとしても、理論的にはワクチンの核酸配列を変えるだけで対応できるはずですので、むしろ承認などの行政手続きが迅速に対応できるかどうかの問題の方が大きいでしょう。

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