接種後に「熱出た人ほどワクチン効果高い」…ホンマカイナ?

接種後に「熱出た人ほどワクチン効果高い」 九大病院など発表
以下は、記事の抜粋です。


新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、九州大学病院と福岡市民病院は3月4日、2回接種後に発熱した人の方が感染を防ぐ抗体価(抗体の量)が高いとする研究成果を発表した。両病院によると、研究中の3回目接種でも同様の傾向が出ているといい、「熱が出た人ほどワクチン効果は高い」としている。

両病院が2021年5、6月に、福岡市民病院に勤務する看護師や事務職員など335人を対象に、米ファイザー社製ワクチンの2回目接種後の抗体価を測定したところ、接種後に発熱した人の方が高いことが分かった。

高い発熱ほど抗体価が高い傾向にあり、接種後に38度以上に上昇した人は、37度未満の人と比べて平均約1・8倍の抗体価があったという。一方、関節痛や頭痛など発熱以外の副反応が出ても抗体価は変わらなかった。

研究では、副反応が出た後に解熱鎮痛剤を使用しても抗体価が下がらないことも判明。発熱をはじめ接種部位の腫れ、頭痛などの副反応が出ても、解熱鎮痛剤の使用は抗体価に影響を与えず、免疫は十分に獲得されていたという。

九州大の鄭湧助教は「発熱の有無に関わらず、十分な抗体価を得られていたが、発熱した人の方が抗体価が高かった」と説明。研究中の3回目接種でも同様の傾向が出ているといい、「どんな副反応が出ても解熱鎮痛剤が使えるし、使ってもワクチン効果が損なわれることはない。安心して接種してほしい」と呼び掛けた。


論文などで発表されているのかと思って、九州大学のプレスリリースをみてみましたが、3月5日の時点では、この研究結果に関連するものは発表されていません。

コロナワクチンの接種では、若い人ほど発熱の頻度が高く、抗体価も上昇することは既知の事実なので、かなり厳密に研究をデザインしないと意味のない実験になってしまうと思います。このような結論を得るためには、発熱群と非発熱群を比べるだけでなく、年齢やその他の条件を合わせて、どの年代でどの程度の差が出たのかを示す必要があります。

「涙の数だけ強くなれる」話なので、毎日新聞もウケると思って報道したのかもしれませんが、発表にどの程度の信頼性があるのかを付記して欲しいと思います。

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