アミロイド低減治療はどうなるか?

アミロイド低減治療、認知機能改善は認められず
以下は、記事の抜粋です。


アミロイド値の低下と認知機能の変化について報告されている入手可能な試験データをプール解析した結果、薬物治療によりアミロイド値低下は、実質的に認知機能を改善しないことが示された。カリフォルニア大学のSarah F. Ackley氏らが14の無作為化比較試験を対象としたメタ解析の結果、明らかにした。
研究グループは、アミロイド値の低下が認知機能を改善するかどうかを確認するため、アミロイド値のコントロールとアルツハイマー病の予防または治療に関する14の無作為化比較試験を特定し、アミロイドを標的とした薬物療法の試験を評価する操作変数メタ解析を行った。

被験者の条件は各試験によって異なるが、典型的なものとしては、ベースラインで50歳以上、軽度認知機能障害またはアルツハイマー病の診断を受け、アミロイド陽性だった。

主要アウトカムは、アミロイドPETで測定した脳内アミロイド値の変化と、各治療群について1回以上行われた認知機能テストスコアの変化で、解析は情報が入手できた試験を包含して行われた。

その結果、アミロイド値の標準取込値率(SUVR)が0.1標準偏差減少することによるミニメンタルステート検査(MMSE)スコアの改善は、0.03ポイント(95%信頼区間[CI]:-0.06~0.1)であり、アミロイド値の標準取込値率減少とMMSEスコア改善は関連がなかった。

なお同研究グループは、ウェブ上でアプリケーションを公開し、アミロイド値とアルツハイマー病に関する新たな試験結果が出た際には、その結果を入力し新たな推定値の算定を可能にしている。


モノクローナル抗体などを用いたアミロイド低減治療の臨床試験のほとんどは有効性が示せず、多くの製薬会社が開発から撤退しました。日本では、米バイオジェンとエーザイが共同開発したアルツハイマー病治療薬アデュカヌマブがアルツハイマー病治療薬として申請中です(記事をみる)。

アメリカでも米食品医薬品局(FDA)が新薬申請を審査中ですが、審査機関が3ヵ月延長され、審査終了は6月7日に予定されています(記事をみる)。社会的な影響が大きい審査ですので注目しています。

2020年10月21日時点での表です。

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