「日医工」約10年前から不適切製造か 富山県 業務停止命令へ
以下は、記事の抜粋です。
富山市のジェネリック医薬品大手「日医工」が、国が承認していない工程で製造した製品など70品目余りを自主回収した問題で、少なくともおよそ10年前から同様の不適切な方法で製造が行われていたと見られることが関係者への取材で分かりました。
富山県滑川市にある日医工の富山第一工場では、国が承認していない工程で医薬品を製造していたことなどが判明し、会社は、去年4月以降、花粉症などの抗アレルギー薬や血糖値を抑える薬など合わせて75品目を自主回収しました。
関係者によりますと、工場では、出荷試験などで「不適合」とされた製品について少なくとも平成23年ごろから国が承認していない手順で再試験や再加工を行い、「適合品」として出荷していたことなどが、会社の依頼を受けた外部の弁護士による調査などで確認されたということです。
調査などによりますと、ジェネリック医薬品の需要の高まりを受けて特に平成26年ごろから生産が急増しましたが、人員や設備を確保しないまま過剰な生産計画を立て、試験で不適合となった製品を廃棄しなくて済むよう再試験などを行っていたということです。
ジェネリック医薬品を巡っては、水虫などの治療薬に誤って睡眠導入剤の成分を混入させた福井県の医薬品メーカーの「小林化工」にも先月、過去最長となる116日間の業務停止命令が出ています。
記事によると、日医工は、沢井製薬と国内後発医薬品トップの座を激しく争っているそうです。後発医薬品大手3社の2020年3月期の連結売上高は、日医工が1901億円(前期比14.1%増)、沢井製薬が1825億円(1.0%減)、東和薬品が1104億円(5.0%増)で日医工がトップでした(下図参照)。
ホームページをみてもわかるように、2000種類以上の薬剤を作っています。普通のクリニックであれば、日医工の製品だけで患者への投薬のほぼすべてをカバーできるほどです。中小の小林化工の場合は、飲んでいる患者さんもそれほど多くなかったと思いますが、日医工の薬を飲んでいる患者さんは非常に多いと思います。私の飲んでいるプラバスタチンも日医工製でした。
国内後発医薬品メーカーは、政府の医療費削減を目的としたジェネリック推進の旗振りに乗って売り上げを伸ばしましたが、コスト削減以外に競うことがなく、監督官庁や業界のチェックが甘い環境では、こうなるのは当然という話だと思います。
患者さんに「ジェネリックでも効き目は同じですので安心して飲んでください。」と言いにくくなりました。
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