生卵と半熟卵と固ゆで卵、消化がよいのはどれ?

生卵と半熟卵と固ゆで卵、消化がよいのはどれ? 知らないことだらけの「食べものが吸収されるまで」
消化についてのわかり易い説明です。以下は、記事の抜粋です。


胃内停滞時間からみると、胃液が混じりやすく、胃にとどまる時間が短いものは消化のよい食べものとなり、長くなれば消化の悪い食べものになる。

食べものを加熱すれば、消化がよくなる。これは、加熱すれば、食べものをかみ砕きやすくなり消化率が上がるためと、加熱によって、食べものの構造や成分の状態が変化し、消化酵素が作用しやすくなるためだ。消化酵素が作用しやすければ消化時間が短くなる。

デンプンを水とともに加熱すると、デンプンの構造が変化し、食べやすく、かつ消化酵素が作用しやすい構造に変化する(糊化という)。ご飯を炊くというのは、米のデンプンの構造を変化させていることなのである。水の量を増やしてお粥にすればさらに糊化が進む。

タンパク質も加熱すると構造が変化し(変性という)、消化酵素が作用しやすくなり、消化がよくなる。そのため、タンパク質を多く含む卵は、生卵より、加熱して半熟卵やゆで卵にしたほうが消化がよい。面白いのは、半熟卵のほうが固ゆで卵より消化がよいことだ。どちらも加熱によりタンパク質が変性しているが、固ゆで卵は完全に変性し、凝固してしまうためかえって消化が悪くなる。

タンパク質にもいろいろな構造があり、タンパク質でできた食べものも多様だ。中でも牛乳は加熱しなくても消化がよい。牛乳に含まれるカゼインというタンパク質は熱変性しにくいが、酵素の作用を受けやすい構造をしているからである。

脂肪の消化が悪いのは、水に溶けず、消化酵素の作用を受けにくいためである。炭水化物はだ液に含まれる酵素によって、またタンパク質は胃液に含まれる胃酸や酵素によって、分解が始まったのち、十二指腸へ送られる。ところが、脂肪はほとんど分解されないまま送られる。十二指腸で胆汁と混ざり、乳化されることでようやく酵素の作用を受けることができる。

キノコや海藻、タケノコなど食物繊維を多く含む食べものは消化が悪い。食物繊維とは消化酵素で消化されない成分をいい、そのほとんどが消化、吸収されずに体の中を通過する。野菜や果物に含まれる水溶性のペクチンや不溶性のセルロース、コンブやワカメのぬるぬる成分がその例だ。

消化が悪いのは「体に悪い」という意味ではなく、消化しにくいということである。ダイエット食品でよく知られる寒天やこんにゃくには食物繊維が多く含まれており、食べてもほとんど消化吸収されないので、エネルギー源にならない。

水溶性の食物繊維は、水に溶けると粘性が高まり、胃の中に長くとどまる。また、消化管の中の移動もゆっくりだ。このことは食後の血糖値の急上昇を防ぎ、糖尿病傾向にある人や糖尿病患者には有利だと考えられている。ただし、食物繊維を食べすぎれば下痢をするし、他の栄養素の吸収を妨げるおそれもあるので注意したい。


これぐらいの知識が本当に「知らないことだらけ」だとすると、日本の学校教育は性教育などの医学教育も含めて、世界で最低レベルの可能性があります。

同じ卵でも、生、半熟、固ゆでによって、体内での消化のされ方が異なってくる。

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