インフルエンザウイルスの感染力は高湿度の環境下でも弱まらない可能性
以下は、記事の抜粋です。
インフルエンザウイルスは湿度が高いほど生存率は低下すると広く考えられているが、高湿度の環境下でもウイルスの感染力は弱まらない可能性のあることが新しい研究で示唆された。研究グループは、咳やくしゃみにより空気中に飛び散った気道の分泌物などがインフルエンザウイルスの保護に働くためではないかと指摘している。
インフルエンザウイルスの主な感染経路は、感染した人から咳などで飛び散った飛沫を吸い込んでしまうことによる飛沫感染だと考えられている。しかし、感染が成立するには飛沫に含まれるウイルスの感染力が維持されている必要がある。Seema Lakdawala氏らの研究グループは今回、インフルエンザウイルスの感染力と湿度の関係に着目して実験を行った。
7段階の湿度(23%、33%、43%、55%、75%、85%および98%)で実験を繰り返した結果、インフルエンザウイルスはどの相対湿度でも感染力が弱まらないことが明らかになった。「少なくとも一般的な住宅では、咳などで飛散した気道の分泌物がウイルスを保護している可能性が考えられる」と、Lakdawala氏は述べている。
過去の報告では、インフルエンザウイルスは湿度が低い方が生存率は高いことが示唆されており、冬期にインフルエンザが流行する理由になると考えられていた。
今回の結果を踏まえて、研究グループは、インフルエンザの流行期には自宅や職場の空気をこまめに入れ替え、循環する空気を紫外線照射で殺菌する機能を備えた空気清浄機を活用し、ドアノブやキーボード、電話、机などを定期的に消毒するようアドバイスしている。
元記事のタイトルは、”Humidity Won’t Hamper Spread of Flu Virus”です(記事をみる)。元論文のタイトルは、”Influenza Virus Infectivity Is Retained in Aerosols and Droplets Independent of Relative Humidity”です(論文をみる)。
下のような、これまでの考えが否定されたとすると、インフルエンザウイルスの感染を予防するために加湿器をつけるということの意味がなくなってしまうと思います。
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