ダニにかまれて肉アレルギーに!急増するアルファガル(α-Gal)症候群

ダニにかまれて肉アレルギーに!急増するアルファガル症候群
以下は、記事の抜粋です。


数年前、野山散策をしている時に、首筋をマダニにかまれた。ウォーキング中はまったく気づかず、帰宅後に、首の右側の背中寄りのあたりがムズムズして掻こうと手をやったその時、カリっと何か豆のような硬い物体が指先に触れた。

慌てて家族に確認してもらうと、大きなダニが首についているという。もともとのサイズが大きいというよりは、私の血をさんざん吸って大きく膨れ上がっていたのだろう。

私の首についていたダニは、たんまりと血を吸って、この写真のように膨れ上がっていた…


ダニにかまれると、ツツガムシ病などのダニが媒介するさまざまな感染症が心配されるが、そうしたことは起こらなかった。しかし、それからしばらくして、それまではなかった食物アレルギーが突然現れた。それは、肉に対するアレルギーだ。

私自身、マダニにかまれた後もしばらくの間(おそらく1年くらい)は、それまで通りに普通に肉を食べていて、最初はまったく気づかなかった。ところがある日、仕事中にランチとして提供されたビーフ・タコスを食べた数時間後、胃のあたりがムカムカしてきて嘔吐。それでもその時は、ビーフ・タコスに何か食中毒を起こすものが入っていたのだろう…と思っただけだった。

しかし、それから牛肉や豚肉を食べた後に、ほぼ必ずといっていいほど気分が悪くなり、吐き気を催すという症状が続き、これは何かおかしい?!と思い始めた。そして、いろいろ調べたところ、同じように突然肉アレルギーになったという人が大勢いることがわかったのだ。

このアレルギーは、特定のダニ種の唾液に存在するα-galが咬傷中に注入されることで発症することから、「アルファガル症候群」と呼ばれる。場合によっては、アナフィラキシーを起こし、死に至る危険性もあるというから恐ろしい。

アレルギーを引き起こすのは、牛、豚、羊などの四つ足の哺乳類の獣肉がほとんどで、鶏や鴨などの二足の生き物の肉には反応しない。

このアレルギーが厄介なのは、ナッツアレルギーなどのように、アレルギー物質を摂取したからといってすぐに反応がでるわけではないという点だ。ナッツアレルギーの場合は摂取後1時間以内の発症がほとんどだというが、アルファガル症候群の場合は、数時間後(2~6時間程度)と割と長いことから因果関係が特定しにくく、最初は何が原因なのか判断しにくい。

『マダニにさされると肉アレルギーになる!』とストレートなタイトルで、静岡県磐田市の磐田市立総合病院がだしている「アルファガル症候群」注意喚起リーフレット。これによると「カレイの卵」でも起こるらしい。

血液型A型とO型の人がこのアレルギーを発症する傾向が高いそうだ。これは、獣肉のタンパク質に含まれる糖鎖α-gal(ガラクトース アルファ1,3ガラクトース)に対する反応がほとんどであるため、血液型抗原としてガラクトースを有するB型とAB型の人は、アレルギー反応が起こりにくいらしい。


マダニに刺されても、引きちぎったりすると、マダニに含まれるα-Galが注入されてしまう可能性があるので、そのままクリニックに行くことが重要だそうです。以下は、皮膚科学会による記載です。


Q3マダニ類に刺されたらどうすればよいですか?

マダニに刺された部位は、痛みやかゆみなどの自覚症状がないことが多く、虫体が吸血して、かなり大きくなってからようやく気付く例が多いようです。しかし、時にはかゆみや違和感を覚えることもあります。また、刺された部位に赤みが出ることもあります。

マダニ類のごく一部は、感染症の原因となる病原体を保有していることがありますが、実際にはその可能性は低いので過剰な心配は不要です。しかし吸着したマダニは早めに除去することが望ましいでしょう。マダニに吸着されてからの時間が短いほど、除去は容易です。吸着後、早期であれば、先の尖ったピンセットなどでマダニの口器の部分を摘んで、ゆっくり引き抜くことによって、うまく除去できる場合が多いです。吸着したマダニの腹部を指で摘まむと、マダニの体液成分が皮膚内に流入しやすくなるので、避けるべきです。

吸着して3日以上が経過すると、マダニの口器が皮膚組織と固く接着しているため、除去が困難になります。その場合、無理に引っ張ると、皮膚内に口器がちぎれて残ります。そのため、チクチクした違和感が残る場合や、その後に硬いしこりを生じる場合もあります。

マダニ虫体の除去が困難と判断された場合は、局所麻酔をして、皮膚ごと切除する必要がありますので、皮膚科を受診してください。切除以外の方法としては、イヌやネコなどのペットに吸着したマダニの除去に用いられるマダニ除去器具を利用する方法もありますが、これらは決して医療用器具ではありませんので、使う人の自己責任で用いる必要があります。

なお、自分でマダニを除去した場合、その虫体を捨てずに保管しておくと、その後に何らかの病気が発症した場合の重要な試料になります。医療機関を受診する際に持参するとよいでしょう。


ベジタリアンにはなれそうもないので、ダニには絶対刺されないようにしたいと思います。

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