「本当に」医者に殺されない47の心得

医師 岩田健太郎(@georgebest1969)氏による「本当に」医者に殺されない47の心得

尊敬する同僚はたくさんいるのですが、岩田健太郎氏はその中の一人です。彼のブログは以前から注目していました。最近、そのブログの中におもしろい連載を見つけました。togetterでまとめてくれた人がいたので、以下にその一部を紹介します。1~8の「心得」と私が勝手にまとめた抜粋です。


[心得 1] 2度めもかかりつけ医にいこう
「治りが悪いな」と思って心配になったら、別の病院に行くんじゃなくて、最初に行った医者のところにもう一度行くことをおすすめします。そうすれば、その医者がその病気が「治りつつある過程」にあるのか、「別の病気で全然治っていないのか」を判定してくれます。

病気の症状は時間が経てば経つほどはっきりしてきます。「後医は名医」という格言があって、医者の力量とは関係なく、後から診た医者のほうが診断が正しくなりがちなのもそのためです。でも、同じ医者が時間をかけて診察すれば別の医者が診るよりもうまく診察してくれます。「2日たったら別の医者」ではなく、2度めもおなじかかりつけ医を受診するのが、より賢い患者のやり方なのです。

[心得2] よい医者の見分け方
お薬の話をするときに、ちょっと困った顔で、「私の飲んでいる薬はですね、ええっとあのアムロなんとか、、、」と言ってみればいいんです。別にアムロ何とかでなくても、みなさんがいつも飲んでいる薬、あるいはときどき飲んでいる薬の頭文字3つくらいでかまいません。リピト、なんとか、、、アマリ、なんとか、、、、レンド、なんとか、、、ルル、、、、ルルはだめか。で、「よい医者」ならば喜んで、「ああ、アムロジンですね。血圧の薬ですね」みたいに説明してくれます。「ダメな医者なら」うるさそうな顔をして、話を遮ったり、別の話題にされる可能性が高いです。判定基準は、喜んでくれるかうっとうしそうな態度になるかです。

それはそれとして、自分の飲んでいる薬くらいは把握しておきましょう。名前は暗記できなくても良いですから、お薬手帳を見て、どれが何のための薬か理解できるくらいはしておきましょう。

[心得3] クラリス(ジスロマック)ばっか使う医者にはご用心
最近この抗生物質の安全性が問題視されているんです。ささいな病気に「死の危険がある」薬を使うなんて、ちょっとおかしいと思いませんか。いや、かなりおかしいですね。

風邪とかで医者にかかったとき、クラリスとかジスロマックばかり出す医者には要注意です。日本の医者は抗生物質について不勉強な医者が多いのですが、クラリスやジスロマック「ばかり」出す医者は、そういう残念な医者の可能性が高いです。

[心得4] フロモックスとかメイアクトばっか出す医者にはご用心
セファロスポリンと呼ばれるメジャーな抗生物質があります。口から飲むセファロスポリンで、世界で一番売れているのがフロモックスです。二番目に売れているのが、メイアクトです(Visiongain. Antibacterial Drugs: World Market Prospects 2012-2022)。驚くことに、世界でトップの売上を誇るこの2つの抗生物質は、ほとんど日本でしか消費されていないのです。

しかし、ぼくの意見では、日本で出されているこうした抗生物質の99.9%(かそれ以上)は誤用です。 風邪で受診したとき、フロモックスやメイアクトを処方されたら、「あれれ?」と疑問に思うべきです。受診のたびにそのような薬を出されるようなら、その医者は、、、ちょっと、ギブアップした方がいいかもしれません。

[心得5] 医療のリスクは分散より集中
ぜひ、かかりつけ医のお医者さんに「実は○○で困っているんですけど、先生に診てもらうことってできるでしょうか」と聞いてみてください。自己判断で別の病院にいきなりいくより、うまくいくことが多いかもしれません。そして、様々な相談をしても、「それはですね、、、」と答えを出してくれることの多い医者をかかりつけ医に持つことをオススメします。

[心得6] PPIの出しすぎにご用心
日本の医者はPPIを出しすぎだと思います。日本の患者さんはPPIを飲み過ぎだと思います。だらだらと長く飲むのは、余程の理由がない限りやめておいたほうがよいです。そして、多くの人はそんな「余程の理由」がないままPPIを飲んでいるのです。

[心得7] ロキソニンやボルタレン。ずっと飲むのはご用心
痛み治療は大切ですから、ロキソニンやボルタレンの存在そのものを否定はしません。が、こういう薬はどうしても必要なときに短期的に使うのが大事だと思います。漫然と長い間飲んでいると、胃に、腎臓に、そして心臓に悪影響を及ぼしかねません。要注意です。

実は、ロキソニンやボルタレンよりも安全に使える痛み止めがあります。アセトアミノフェン(カロナールなど)です。とはいえ!このアセトアミノフェンも完全に安全な薬、というわけではありません。とくに、肝臓が悪い患者さんが飲むと肝臓がさらに悪くなってしまうことがあります。

[心得8] 尿酸値「だけ」を治療する医者にはご用心
ケリーの「リウマチ学」には、痛風発作が起きていない高尿酸血症患者の薬物療法は原則必要ないと書かれています。ところが、日本では実に多くの「発作のない尿酸が高い人」にアロプリノール(ザイロリックその他)など、尿酸を下げる薬が出されているのです。これは、アメリカのガイドラインでは治療が推奨されていないのに日本では尿酸値が高い(>9.0mg/dl)なら治療が推奨されていることも影響しているようです。

医学はどんどん進歩し、昔の常識は、現在の非常識になることは多いです。医者には日々の勉強が必要なのはもちろんですが、昔の常識にしがみつかない、柔軟な頭もやはり必要なのです。


自分の飲んでいる薬について質問して、良い医者とダメな医者を見分け、良い医者が見つかったら、その医者をかかりつけにする。いろんな病気になっても、できるだけその医者に診てもらう。

クラリス(ジスロマック)やフロモックスとかメイアクトなどの抗生物質をガンガン出す医者はダメ。PPI、ロキソニン、ボルタレンなどを飲み続けるのはダメ、出し続ける医者もダメ。症状がないのに尿酸値が高いだけで、アロプリノロールを投与する医者はダメ。

まとめると、以上のようなところでしょうか。ほぼ同意します。ただ、尿酸が高値の場合、アロプリノロールは使いたくないが、フェブキソスタットなら使っても良いような、、、医学はどんどん進歩しますので、、、今日は、ここまでにしておきます。

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