ひろゆき初の”児童書”『よのなかの攻略法 学校編』が出たそうです

「それってあなたの感想ですよね?」が小学生に流行…ひろゆき初の”児童書”を有害図書と叩くインテリの理屈
以下は、記事の抜粋です。


実業家のひろゆきさんが上梓した新刊『よのなかの攻略法 学校編』(小学館)を巡りネット上で炎上騒ぎになった。子どもの悩みに答える学習漫画形式で、自身初の児童書。文筆家の御田寺圭さんは「書いている内容は、児童書というより大人社会の裏ルールをそれとなく教える“攻略本”と言える。それを、『“それってあなたの感想ですよね?  と大人に向かって言え”と子どもを扇動している』と連想する人々が勝手に腹を立てている構図です」という――。

「ひろゆき児童書デビュー」の衝撃

12月7日、インターネットは騒然となっていた。ひろゆき氏が自身初となる児童書を刊行したからである。題して『よのなかの攻略法 学校編』(小学館)である。

ひろゆき氏はいま小学生を中心に「物知りなお兄さん」的なポジションとして親しまれており、氏の「論破王」としてのイメージを決定づけた代名詞「それってあなたの感想ですよね?」は、2022年現在における小学生の流行語ナンバーワンとなっている。

……しかしながら、ひろゆき氏の児童書デビューを告知した編集者のツイートは大炎上した。「反知性主義に本を出させるな」「モラルハザードだ」「有害図書」――など、まさに言いたい放題である。

■「ふつう」のことが書かれている

結論からいえば書かれている内容はいたって妥当というか、「なるほど、たしかにそうだろう」と素直に首肯できるというか、ごくごく常識的な内容に終始している。

本書は、勉強、交友関係、いじめ、恋愛そして生き方について、子どもたちから寄せられた悩みや相談に、ひろゆき氏が一問一答形式を採用しながらテンポよく答えていく内容となっている。たとえば、「学校に通うこと」についての意義を説明する章では、ひろゆき氏から以下のような主旨のアドバイスが示されている。

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「小学校の勉強は将来に役立つのでまんべんなくやっておいた方がいい」
「日本語以外の言語にもなるべく触れる機会を持とう」
「副教科は好きなものを見つけるためにやっておけ」
「いちばん学んでおくべきは人と仲良くなる方法」
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――と、このように「ふつう」としか言いようがない現実的なアドバイスが並んでいる。これらのアドバイスを行った理由説明にこそ、ひろゆき氏ならではの「ちょっとシニカルな視点を含んだエッセンス」が盛り込まれているものの、やはりこれを脊髄反射的にバッシングするのは、おおよそ知的な営みとは言い難い。

「ドライ」で「メタ」な教え

「まんべんなく勉強した方がいいのは、この国の学校制度はまんべんなく勉強できる人が有利になるようにつくられているから」

「なるべくいい大学に行くべきなのは、学費が大して変わらないのに周囲の人間のレベルには大きな違いがあるから」

――など、夢や希望を精神論的に語るのではなく、あくまでドライで俯瞰した観点から、この社会の「メタ的なルール」を子どもにもわかりやすく言語化し、自身のアドバイスに説得力を持たせている。同書の総まとめとして「大人が言っていることはいつも正しいとはかぎらないから、つねに自分の意見も持って、それを判断する能力を養うのが大事ですよ」とひろゆき氏は述べている。

いつの時代も変わらない子どもたちの「ありがちな悩み」に対して、飄々としたスタンスでメタ的な意見を表明するひろゆき氏の社会派論客的なスタイルがマッチしていて、全体としてはよくできた本であるように感じた。

人生のステージを着実に上昇させる「メインクエスト」がどれであるのかをすばやく見極め、それを効率的に攻略していく――そんな「合理的でコスパのよい生き方」を大人たちが求めているからこそ、「ひろゆき児童書」は世に送り出された。


スペースの関係で、筆者の感想と思われるところは削除しましたので、興味のある方は元記事をお読みください。

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