肉を多く食べているとアルツハイマー病になりやすいAPOE ε4の遺伝子型を持つ人も認知症リスクが低くなっていた

肉を多く食べていると遺伝的にアルツハイマー病になりやすい人も認知症リスクが低くなっていた
以下は、記事の抜粋です。


スウェーデンのカロリンスカ研究所で行われた研究によって、アルツハイマー病の特定の遺伝リスクを持つ高齢者は、肉を多く食べていた人ほど認知機能の低下がゆるやかで、認知症リスクも低い方向にあることが関連する可能性が示されました。

論文では、最も肉を多く食べていた群では、この遺伝子型で予想される不利が目立たなくなり、特に認知症リスクにおいては、他のリスクが低い遺伝子型との間と有意差がなくなるほどの違いが示されました。

「肉は減らすほど正しい」という論調がしばしば目立ちますが、少なくとも脳の健康において、全員にそのまま当てはまらない可能性が見えてきました。

APOE は、アルツハイマー病リスクと深く関わることで有名な遺伝子です。APOE 遺伝子には主に2型・3型・4型と3タイプがありますが4型を持つ人はアルツハイマー病になるリスクがかなり高くなることが知られていました。この遺伝子型の人たちは、世界ではおおよそ4人に1人、日本では5人に1人程度とされます。

具体的には、父母から1つずつ受け継いだ2つのAPOEのうち、1つが4型でもう1つが3型(ε3/ε4)だと発症リスクはおおむね2〜4倍、2つとも4型(ε4/ε4)だと8〜15倍ほど高くなるとされています。

先にも述べたように、このどちらかの遺伝子型を持つ人は世界人口の4人に1人、日本では5人に1人ほどの割合で存在します。

(※なお2型(ε2)は4型(ε4)と反対で、APOE ε2(イプシロン2)アレルは、アルツハイマー型認知症の発症リスクを低下させる保護的な因子とされています)

今回研究者たちは、APOEの型によって肉と認知機能の関係が違うかを長期追跡で確かめました。

本当に、肉を減らすほど善だという“きれいな話”は、脳の健康にまでそのまま通用するのでしょうか。答えを得るために研究者たちはまず、スウェーデンの60歳以上2157人を最大15年追跡し、食事アンケートで肉の量を調べ、認知テストと認知症発症をAPOEの型ごとに見比べました。

結果、4型を1セット持つ人(APOE ε3/ε4)と2セット持つ人(APOE ε4/ε4)では、肉摂取が多い人ほど認知機能の落ち方がゆるやかで、認知症リスクも低い方向に関連しました。

特に最も肉を食べているグループ(1週間の摂取量が、2000キロカロリーに標準化して869g程度)では、本来この遺伝子型に予測される不利が、かなり目立たなくなり、特に認知症リスクについては、他の低リスクの遺伝子型と有意差がなくなってしまっていました。

ただ肉なら何でもよかったわけではありません。肉全体の中で加工肉が占める比率が高いほど、認知症リスクは悪い方向に動きました。いっぽうで、加工されていない赤身肉と鶏肉のあいだに大きな差は見られませんでした。

もっとも今回の研究は、肉の消費量と認知機能の低下や認知症リスクとの関連を調べたものであり、肉のどの要因が認知機能や認知症リスクとどう関わるのかといった、生物学的なメカニズムまで調べられていません。


元論文のタイトルは、”Meat Consumption and Cognitive Health by APOE Genotype(APOE遺伝子型による肉類の摂取と認知機能)”です(論文をみる)。

平均的な日本人の食事では、「1週間の摂取量が、2000キロカロリーに標準化して869g」というのは難しいと思いました。いずれにしても、大好きな加工肉は良くなさそうです。

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