1次治療前のがん遺伝子パネル検査の結果が生存期間を延長する可能性
以下は、記事の抜粋です。
1次治療前からのがん遺伝子パネル検査(CGP検査)は推奨治療を受けた患者の生存を改善するという結果が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において報告された。
日本でのCGP検査は2019年6月から保険診療で実施可能となったが、その適応は「標準治療がない、もしくは終了した症例」に限られている。そのため、CGP検査の結果から、有効な治療薬に到達する割合は低い。CGP検査結果に基づいた治療を実際に受けた症例は8.2%にとどまる。
一方、世界的なCGP検査の推奨時期は、1次治療開始前または可能な限り早期、である。そのような中、日本でも1次治療開始前に切除不能進行・再発がんにCGP検査を行う「FIRST-Dx研究」が2021年5月から先進医療Bとして実施された。
・試験デザイン:多施設共同前向き観察研究(FIRST-Dx最終症例登録から3年間)
・対象:FIRST-Dx研究に登録され、FoundationOne CDx検査が行われた全身療法未施行の20歳以上の切除不能進行・再発がん(消化器・肺・乳腺・婦人科・悪性黒色腫)172例
・主要評価項目:全生存期間(OS)
主な結果は以下のとおり。
・観察期間中央値25.0ヵ月で、26.7%(46例)の患者がエキスパートパネルによる分子標的に基づく推奨分子標的治療(MBRT)を受けた。
・推奨MBRT群(上記46例)の標準治療群に対するOSのハザード比(HR)は0.62(0.39〜0.99)で、有意に推奨MBRT群で長かった(p=0.047)。
・FIRST-Dx研究と保険診療(リアルワールド)データをプロペンシティ・スコアでマッチング(各67例)した探索的解析の結果、リアルワールドデータ群に対するFIRST-Dx群のOS HRは0.61(0.44〜0.94)で、FIRST-Dx群で有意に延長した(p=0.02)。
がん遺伝子パネル検査(Comprehensive genomic profiling:CGP)は、がんの組織もしくは血液を用いて、がんの原因となっている遺伝子異常を調べ、その遺伝子異常に応じた治療(主には分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤など)を見付けるための検査のことです(説明をみる)。
この試験では、それぞれのがん患者での遺伝子変異が同定できて分子標的に基づく推奨分子標的治療が受けられたのは26.7%でしたが、今後この数字は増えていくと思います。
世界的なCGP検査の推奨時期は、1次治療開始前または可能な限り早期ということは、分子標的薬が使える症例にはできるだけ早く使う方が、生存期間が長くなるというエビデンスがあるのだと思います。実際、ChatGPTに聞いたらいくつか教えてくれました。
癌患者では、最初にCGP検査をして、それに対応する分子標的治療薬を使う、ない場合は化学療法薬などによる標準治療を行うという時代がすぐに来そうです。ここでも医療費が増加しそうです。


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