降圧薬は死ぬまで飲み続けるべきか?
良く聞かれる質問です。以下は、記事の抜粋です。
降圧薬は死ぬまで飲み続けるべきか?
解答はこちら
降圧薬による起立性低血圧からの転倒リスクもあり、施設入所中のADL(Activity of daily life)が落ち始めた高齢者はある程度緩めのコントロールでよいケースもあると考えられる。要介護状態や終末期においては、患者に応じて休薬も要検討。
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2016年に発表された、施設入所中の平均85歳の高齢者を対象とした研究では、収縮期血圧を下げ過ぎると予後が悪いと示された。収縮期血圧120mmHg未満の高齢者の死亡リスクは120~139mmHgの高齢者と比較してハザード比:1.56(95%CI:1.08~2.27)であった。この研究では、対象はFrailty indexが0.4前後であるため、ある程度ADLが落ちている患者群であることがうかがえる。
あくまでもアウトカムは死亡であり、脳心血管イベントの発生でない点に注意。適応は適宜考える必要はある。なお、高齢者高血圧診療ガイドライン2017を含め、日本のガイドラインでも要介護状態の高齢者の降圧目標は個別の判断を推奨、終末期の高齢者は休薬も積極的に検討としている。
参考文献
1)Rådholm K, et al;Age Ageing. 2016 Nov;45:826-832.
2)日本老年医学会. 高齢者高血圧診療ガイドライン2017(日老医誌 2017;54:236-237)
Frail Indexは以下の図のように定義されてます。血圧が高くても高齢で介護が必要になってきたら、薬を止める可能性を考えるというごくごく当たり前の結論でした。
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