医療費減らず最高37兆円に 後発薬・入院短縮空振り 10年度3.9%増

医療費減らず最高37兆円に 後発薬・入院短縮空振り 10年度3.9%増

以下は。記事の抜粋です。


厚生労働省は9月27日、国民医療費が、2010年度は前年度比3.9%増の37兆4202億円になったと発表した。国民所得に占める割合は10.71%でこれも過去最高となった。増加した3.9%の内訳を分析すると、高度な診断機器の普及など、医療の高度化が2.1%分を占めた。高齢者が増えたことによる影響は1.6%分だった。

医療費は増え続ける見通しで、厚労省は25年度に50兆円を超えるとみている。このため医療費の抑制策を打ちだしているが、目立った成果は出ていない。例えば、医薬品に占める後発薬の割合を12年度に30%にする目標を立て、直近では25%程度になった。財務省の試算では後発薬のシェアが20%から30%になれば、年間4800億円の医療費削減につながる。ところが、10年度の薬代は5.5%増の6.1兆円だった。

薬代が増えているのは薬を必要とする高齢者の絶対数が増えているためだ。医療費の伸びを抑えるには、さらに後発医薬品を普及させる必要がある。入院日数の短縮も進んでいるが、10年度の入院医療費は6.3%増の14兆908億円だった。

年齢別の医療費を分析すると、65歳以上の医療費は全体の55%を占めている。75歳以上の1人当たり医療費は、65歳未満の5倍だった。

医療費をまかなう財源では保険料が48.5%、税金が38.1%、患者負担が12.7%だった。医療費は原則3割が患者負担だが、70歳以上の高齢者は自己負担の割合が低い。高齢者が増えたことで、税金への依存度が高まった。


新たに就任した三井厚労相は、生活保護制度の見直しについて、「抜本的な見直しが今までされていないことも含めて、制度をきちっと考える必要がある。(保護費の)半分は医療費ですごく大きい。ある程度メスを入れていかなければならないのではないか。」と言っているそうです。

しかし、本年度の生活保護費の予想は3兆7000億円で、その約半分が医療費だとすると、生活保護医療費全額でも医療費全体の約5%ということなります。どんなにメスを入れても、医療費全体の増加に与える影響はわずかでしょう。

一方、同厚労相は、「現行1割に軽減している70~74歳の医療費窓口負担を本来の2割に戻すか?」という質問に対しては、「(消費税などの)負担が増える中で本当に2割でいいのかということもある。ここはもう少し慎重に議論しながら検討していきたい。」と答えたそうです(記事をみる)。

民主党にしても、自民党にしても、はたまた維新にしても、選挙で老人票を失いたくない政権が続く限り、医療費とその税金への依存度は高まり続けると思います。

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