以下は、記事の抜粋です。
山梨大医学部の中尾教授らの研究グループは、赤ワインに多く含まれるポリフェノールに、食品アレルギーの予防効果があることをマウスの実験で突き止め、9月4日付の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表した。
中尾教授は「予防策や治療薬の開発につながる可能性もある」と話している。 予防効果が判明したのはポリフェノールの一種「レスベラトロール」。老化防止効果や抗酸化作用などがあるとされ、サプリメントとして市販されている。
研究では、卵アレルギーを持つ体質に変化させたマウスに、レスベラトロール入りの餌を1週間食べさせ、その後に卵を与えたところ、通常の餌を与えたマウスに比べてアレルギー反応が10分の1程度だったという。
今回、マウスに投与した量を人間に換算すると1日約1グラムで、サプリメント数粒で摂取できる量だという。
元論文のタイトルは、”Dietary Resveratrol Prevents the Development of Food Allergy in Mice”です(論文をみる)。
論文では、卵白アルブミンとコレラ毒素を胃内投与して感作しています。コレラ毒素は粘膜でのアジュバントとして用いたと書かれています。
確かにレスベラトロール(resveratrol)は、アレルギー反応の発生を抑えていますが、その効果はコレラ毒素の作用を抑制することで発揮されているようです。元記事には、「卵以外の食品アレルギーにも効果があるとみられる」と書かれていますが、これもアジュバントにコレラ毒素を用いた場合のようです。
他のアジュバントを用いた時や、アジュバントを用いない場合にもレスベラトロールの効果が認められるかどうかはわかりません。すなわち、ヒトの食品アレルギーにレスベラトロールが有効かどうかもわからないと思います。
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